10.守りたいこの笑顔
8年ぶりです!
リアルがかなり落ち着いたので更新再開したいと思います。
当時読んでくれていた人はまだいるのでしょうか?
1日すぎ、ウミの城で目が覚める。
今日はウミが色々一般常識について教えてくれるそうだ。
昨日のジュリアとかいうやつとの話でも色々気になることが出てきたからな、ありがたい。
しかし、魔力を教えてくれたときみたいに直接魂に刻んでくれたら楽じゃないのかな?
「あれは魔力とともに流すからね、一般常識とかについては範囲外なんだよ」
そのまま聞いたらそう答えられた。
ほーん、そんなもんなんだ。
まぁいいか。
「普通に行ったら3日だけど僕たちなら1日位でつくだろう。道すがら説明するよ」
「了解、よろしく頼む」
そういって二人軽く駆け出す。
軽くと言っても100m10秒程度の速度だが、ウミもよくこの速度についてくるな?
「君と交わったことで能力が底上げされたみたいだ。それでも僕的には少し早い感じがするから疲れたら言うよ」
どんな理屈かはわからんがそうらしい、まぁ魔族は魔力で出来てるらしいからな、何とは言わないが体液を流し込んでるから魔力が混ざって能力も上がってるってことかな?まぁ結果が全てだからどうでもいいが。
とりあえず説明を聞くこととしよう。
「何から説明しようかまずは冒険者の説明からかな。冒険者っていうのはその名の通り各地を冒険することを生業にしているものだよ、もう少し詳しく言うと、同種族に害をなしているものを討伐したり、その種族にとっての空白地域を探索したり、仕事は多岐にわたるらしいよ。魔族にはないけどね。AVRっていうのはそれを証明するものみたいだよ、人族が主だけど、それと交わっている種族にも一応あるらしい。等級もあるらしいけどそこまで詳しくは知らないな」
まんま冒険者ギルドだな、ここについてはわかりやすい。ジュリアの話によるとアスーラの街で再登録もできるらしいからなれるもんならなっといたほうがいいだろう。
「お、なら各種族に迷惑かけまくったらそれぞれの強いやつが討伐しようと追ってくるのか?」
「理屈的にはそうだろうけど、討伐される側ってなると眠っているときに強襲されるかもしれないし面倒くさいよ?しかしその考えが一番に出てくるとはキミもなかなかだね」
そう言って怪訝な目を向けられた、解せぬ。
まぁしかし向こうで慣れているとはいえ、多少面倒かな?ウミもいるしまずは正攻法で行くとするか。
あとはー・・・
「検非違使ってのは?」
「検非違使は国営の警吏組織だったはずだよ?あの娘の少尉って階級がどの程度かは知らないけどね。1隊を率いてたみたいだからそれなりに高いのかな?」
「俺の世界にも検非違使って組織が昔あったんだよ、役割も同じ。それに藤原って姓も俺の世界のものなんだが?」
「へー、そうなんだ?偶然にしては出来すぎなのかな?そういうもんだと思ってあまり気にしてなかったから詳しくは知らないな、人族の街に行けばなにかわかるんじゃないかな?」
この見た目だし忘れがちになるがウミは魔族だからな、他の種族にあまり興味もなかったみたいだし。
まぁ気が向いたら街で調べてみるか。
「そういえばウミはなんで俺の世界にいたんだ?よく来てたのか?」
「いや、あれが初めてだよ。城に引きこもるのもいい加減飽きたからちょっと無作為に転移してみたんだ。そしたらキミに逢えたからね、これはもう運命だよ」
そう言ってウミは軽やかに笑う。少し頬が赤いが疲れのせいなのか照れているのか。
なんにせよかわいいなおい。
「可愛いなおい!」
言ってみた。俺もこんなに人?に興味を持つことになるとは思わなかったな。魔力と魂を流し込まれたことに関係あるのかな?まぁ可愛いからいいか。
ウミの笑みがさらに深くなる。
「嬉しいこと言ってくれるね、キミもとても魅力的だよ、人族の美醜はよくわからないけどね。僕はキミに惚れてこの姿になったんだ、そう言ってもらえるとすごく嬉しいよ」
そういえばそんな事も言ってたな。
そんな事を話している間に5km先くらいに門が見えてきた。あれがきっとアースラの街なんだろう。
こんな速度で近づいたら不審者認定されそうだからな、面倒くさいが先の面倒を回避するためにもここらから速度を落としたほうがいいか。
「そうだね、でも驚いた。キミそんな事も考えられるんだね?」
そう言ったらウミが驚いている。
失礼な、俺は一般人に擬態するのに半生をかけていたからな、そういうのは得意なんだ。
この世界に来たからあまり気にしないつもりではあるがな。強いやつに見つけてもらわなきゃいけないし。
しかし身分証明もできないうちからそれはチャレンジャーすぎるだろう。
さっき正攻法で行こうかと考えたばかりだしとりあえずトラブルは避ける方針で行こう。
というわけで速度を緩めることにする。ついでに食事にしよう。
「魔法の袋」
これも創造した魔法だ。イメージは言わなくてもわかるだろう4次元○ケット。時間経過なし、収納上限なしの便利袋だ。
今日も食事はカレー。ウミがカレーにハマりすぎてストックしておかないと泣きそうになるんだ。
だから日本でカレールウを購入し大量に作り保存している。
あまり料理は得意じゃないんだが、それでもウミは笑顔でカレーを食べてくれる。守りたい、この笑顔。
さて、腹ごしらえもしたし門に向かうか。
何事もなく街に入れるといいんだが。
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