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今日も、マリアさんに身支度を整えてもらったあと、お茶を飲んだ。
最近は水出しのお茶で、冷たいそれが、寝ている間に火照った体によく沁みる。
順番表は、今日も白紙だ。
そっと閉じて、窓辺の椅子へ座る。
空は、今日もよく晴れている。
雲は少なく、青が広く見えた。
「聖女様、本日は回復日です」
マリアさんは毎回、わざわざ、言ってくれる。
「はい」
私は、椅子から立たなかった。
廊下を歩く足音が、何度か聞こえた。
でも、扉は叩かれなかった。
無意識に、背筋を伸ばした。
祈る前と、同じ姿勢だった。
日差しが、少しだけ傾いた。
それでも、私は、ここにいた。
いつも通りだった。
飲み干したカップを見て、ふと思い出す。
私は、お茶が、あまり好きではなかった。




