表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
召喚された聖女は、秩序を守る  作者: はたの


この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

28/29

28



順番表を開くと、白い部分が目についた。


数えるほどしか、名前がない。

昨日よりも、さらに薄くなっている。


私は、それを、特別なことだとは思わなかった。


今日は、少ない。

それだけだ。


マリアさんに、お茶をいれてもらった。


祈りに行く前の、いつものルーティンだ。


体は、軽かった。

最近は、重い祈りが入っていない。

回復日も挟んでいる。


祈れる。

そう思えるくらいには、元気だった。


私は、椅子に腰を下ろした。


呼ばれるまで、ここで待つ。

それも、いつも通りだった。


しばらくして、扉を叩く音がした。


ロディさんが、扉を開ける。


そこに立っていたのは、補佐だった。


彼は、部屋に入らず、扉の外から、静かに告げる。


「本日は……祈りは、入りません」


私は、一瞬だけ、言葉に詰まった。


「……今日は、ですか」


「はい。本日は、ここまでです」


声は、淡々としていた。


私は、頷いた。


「分かりました」


返事は、自然に出た。


でも、胸の奥で、少しだけ、引っかかる。


今日は、回復日ではない。

体は、軽い。

祈れないほど、疲れてもいない。


それでも、祈らない。


補佐は、それ以上、何も言わず、廊下へ戻っていった。


扉が閉まる。


静かだった。


私は、椅子に座ったまま、手を、膝の上に置いた。


姿勢は、祈る前と同じだった。


祈れる。

そう思える。


なのに、行き先がない。


鐘の音が、遠くで鳴った。


誰かの足音。

遠くの声。


時間だけが、進んでいく。


誰も、呼びに来ない。


私は、ただ、そこに座っていた。


順番表は、閉じたままだ。


誰も来ない。

それでも私は、ここにいる。




評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ