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目を覚ましたとき、これは夢だと思った。ざわめく中、視界に入ったおじさんが、強ばった顔を緩めて、ほっと溜息をつくのが分かった。
「ここは……」
私の周りには不思議な模様と大きな皿に乗った美味しそうな料理。
まるで何かの儀式みたい。
「よくぞいらっしゃいました、聖女様」
優しげで背の高い男の人が私に近づいて体を起こすのを手伝ってくれた。……え、聖女様?
聞きなれない単語に私は首をかしげた。
「聖女、ですか?」
私の反応を見て、男性は表情を和らげた。
「ご存知ありませんか。聖女とは、この国において───────」
彼の話をまとめると、聖女とは、この国の危機に、世界を超えて救いをもたらす少女のことらしい。
危険なことも、嫌な思いもさせないから、この国のために祈ってほしい、という。
「無理をしていただくことはありません。役目も永遠ではないのです」
私は頷いた。それが私に出来ることなら私はやりたい。世界の為に祈る、それくらいなら私にも出来るから。




