第44話 墓地探索 - Ⅱ
「あとどれくらい持ちそうだ?」
「持って、30分ってところ...だな...」
「30分....割と余裕あるな...」
「そんなこと...言ってる様な...余裕は...ないッ!」
コイツ、本当は結構余裕なんじゃ...
「なぁアルフレート、ナイフとか持ってないか?」
「ナイフなんて...どう使う気だ...?」
「ワイヤを切るに決まってるだろう?」
別に承諾なんて冒険者には不要だ。
要は持ってるか、持ってないか...それだけだ。
「ハッ、そんなことだろうと思ってたぜ...うッ...」
―アルフレートは先程までよりも深く悶絶し始める。
「苦しそうだが関係ない、その態度...持ってるんだな?」
「お前に....人の心はないのか...?」
「元々アルフレートがローズのことを馬鹿にするから連れて来たんだ、僕はそんなに甘くないぞ?」
別に僕は聖人君子を目指してるわけじゃないからな。
苦しんでるからって、途中で戒めを止めはしない...
「ハッ、どうせそう言うと思ったぜ!
だがお前の弱みは既にこの俺の脳にインプット済みだッ!」
「"弱み"...?...だとッ!」
―アルフレートは一度体勢を直すと、脇腹を両手で抑え始めた。
そして.....
「グハァッ! 駄目だ、アルフレッド....俺はもう...」
「おい待て、早まるな!」
耐えろ! こんなところで撒き散らすな、バチが当たるぞ!
―アルフレートは一息つくと、フレッドの肩を掴む。
そしてこう"語りかける"のだ。
「頼む...冥土の土産に...エールの景色を見せてくれ....」
見え透いた芝居だ....安っぽく誰でも分かってしまう。
十中八九、僕の病を刺激し誘導しようという魂胆だろうが.....そんなもので僕は揺らがない。
だが....!
「ふっ、面白い....我に機を与えるか...ならば我がその道を開こうではないか!」
この我が引き受けようではないか!
「託したぜ...アルフレッド....」
「ふっ、さあ我をどう狂喜させるか....地を這い続ける緒より疎まれし玉よ!」
「流石はエールの変わり種エルフだな! それで、どんな作戦だ?」
―腹痛が収まってか、フレッドの返事に満足してか、アルフレートの調子はもとに戻る。
「作戦...? 我にそのようなものなど必要ない、ただ地道に進むのみである!」
時に"力" is "パワー"の考えは、想像以上の効用をもたらす。
共同墓地からの脱出法としては、最も確実だ。
「......考えないお前なんて素手のローズマリア以下だぜ? 何言ってんだよ...」
「失敬な...まず"我が姫"は素手でも十分な強さの持ち主だ。」
ローズの正拳突きを喰らえば全治2週間は確実だ。
その辺り....見誤るなよ?
「まぁ良い...なら、早く行こうぜ!」




