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守護者の剣 - 男を動かすのは情か理屈か -  作者: 佐藤太郎
第二章 回り始める世界
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第43話 墓地探索 - Ⅰ

昨日は本当に色々あったな....


―ローズと本契約を結んだ翌日の早朝、ギルドの片隅にて彼はその前日に起きた様々なことを思い返す。


いや〜まさか、"なんかこっちに行けば教会がある気がするなぁ〜"って感じたら本当に教会に着いたり、神様の御声をまた聞けるとは...


最近神様の恩恵を感じるようになってきたから、本当に嬉しかったなぁ〜


―決死の告白が成功した彼は昨日の余韻に浸り...いや、もはや漬物状態になっていた。


.........


いやぁ、良いこともあるもんだなぁ....


ん? そう言えば.....


「ローズが"お願い"って言ってた様な...」


あの後すぐに帰っちゃったから、なんて言おうとしたかは分からないけど....いや、楽しみに待つことにしよう。


「なんだ、まさかダンスのお誘いでも受けたのか? 

 まぁ確かに嬢ちゃん、見た目だけは良いけどよ。

 あれはおっかねえ剣を振り回すゴリラだぜ?」


―そんな彼の余韻に水を差す人物が現れた。



アルフレートか....バーでサイモンとよく飲んだ仲だが...


「僕のパートナーなんだ、侮辱は止めてくれ。」


「ハハハッ...単なるジョークだよ。」


全くコイツは、毎度毎度一言多い奴だ...


「よし分かった! 共同墓地まで連れて行ってやる。」


エールの共同墓地は世界一の迷宮と言われてるからな、お灸を据えるには丁度良い.....


「ちょっと待てよ、共同墓地は流石に笑えないぜ?」


「大丈夫だ、確かサイモンが"俺は死者と友になる!"って宣言して以来帰ってきてないから、それを探しに行くだけだぞ?」


ちょっと前、"美人にフラレた!"って言って、自ら共同墓地に入ったからなぁ...サイモン...


「サイモンがいるなんて絶対、碌なことねぇだろ!

 おい、ちょっと...止め、止めてくれ!」


―アルフレッドは抵抗するアルフレートを引きずり、エールの共同墓地へと向かう。


「待って、反省してます! だからこれだけは...!」


「大丈夫だ、気を強く持て!」


―そのまま彼はアルフレートを引きずっていた手を放し、自分一人ギルドに帰ろうとするが....


「なッ!」


「ハッ...盗賊職の俺を舐めるなよ!」


―アルフレッドの右手はアルフレートの左手首から伸びる金属製のワイヤによって拘束されてしまった。


「は、放せ...この卑怯者!」


「ハッハッハ、どの口が言ってるんだ卑怯者! 

 だが、お前は捕まった! どうなるかは...分かるよな?」


チッ、こうなったら魔法で! ....って、あれ?


「魔法で壊そうってか? 残念ッ! このワイヤは高級品だからな!」


出力分の魔力が吸い取られる! そういう効果持ちか!

ナイフとか弓は置いてきちゃったし....って、あっ....


「さぁ、来た道に戻ろうぜ?」


「無理だ....」


「へ?」


「ここの通路は10分に一度のペースで入れ替わる...

 もう元の道は使えない....」


気を抜いていたのが仇に出たな...

元々、入れ替わって7分くらい経ってから走り去るつもりだったが...

今、丁度入れ替わってしまったようだ。


「そ、そ、そんなことに動揺する俺じゃねぇぞ!」


「なら、お前が来る途中に置いてきた小石でも見てみろ...」


「え、知ってて放置してたのか!?」


「帰れなくなると僕の責任になるからな....

 それくらいは見て見ぬふりするつもりだったのに....」


どうせ後からこっそりと帰ってくるつもりだったんだろ?


「ダーム!!...だがこれで、お前は俺と一緒に帰るしかないわけだ!」


「なんでだ? もう僕といても、帰れるか分からないぞ。」


「そ、そう言うなよ、な? 

 便利な"エルフパワー"でも使えば分かるんだろう?」


「なんだよ"エルフパワー"って....」


「精霊の声が聴こえたりするんだろ?

 ...なぁ、助けてくれよ? ピンチなんだよ!」


―先程までのあくどい面はどこへ行ったのか、アルフレートは急に焦りだす。


「そんな能力でどうしろって言うんだよ?

 死者の霊にでも道を尋ねるのか?

 大体ピンチって、歩いてればそのうち出られるらしいし、そんな大袈裟な.......あっ」


―言葉を止めた彼の目の前には、冷汗とともに前屈みになり腹を手で抑えているアルフレートの姿

 それが意味するのは....


「まさか....腹痛か!?」


「ふっ、そのまさか...だ...!」



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