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第27話 潜む契り- Ⅰ

スライム....それはファンタジーモノの序盤で登場する

俗に言う雑魚キャラクターの悲しき名にして、

この世界で最も厄介なモンスターの名。


そして、今まさにローズが狩りたがっている者の名!


「フレッド! スライム狩りに行きましょう!

 スライムが大量発生しているらしいの。

 さあ、早く。」


「スライム狩り? 

 なんで急に.....って、聞くまでもないか。」


先日手に入れたばかりのロングソードを既に手に

取り、興奮しているのを見れば誰でも分かるだろう。


「新しい武器を試したいのか.......

 僕もナイフの切れ味が気になるし....

 分かった、行こうか。」


「ふふっ、そうこなくちゃ。

 ちなみに今日行くのはエールの森よ。」


エールの森....僕がこの世界に来て初めて入った森か.....


懐かしいな...


「でも、ロングソード二振りにダガー...ドルヒまで

 なんて....ちょっと重くない?」


「ステータスゲインさえ使えば軽いものよ。」


胸を張ってそう高らかに宣言しているが.....


「持ち運ぶ時までスキル使ってて、魔力は持つの?」


「大丈夫よ。 

 それに.....そうなった時は、守ってくれるでしょ?」


「えっ? まぁ、それはそうだけど........」


何気に恥ずかしいことをいうなぁ....


「一振り、持つよ。 

 スキルがあるとはいえ魔力の消費は抑えたいし。」


「いいの?.....ありがとう。」


............................


「着いたわ、ここね。」


「スライムは開けた土地に多く生息しているから

 この辺りでいうと........南東側だな。」


「詳しいのね、前に来たことがあるの?」


「昔、この森で住んでいたことがあったからなぁ....」


この森はエールの街を囲う様に形成されていて、

僕はずっとその円環を回っていたわけだ。


もっとも、街を見つけるのに結構時間掛かったけど.....


「それは心強いわね。」


「あははは.....ん? いた、スライムだ!」


スライム.....僕が初めて倒したモンスターか...


そう考えると感慨深いな。


「ここは、私に任せてちょうだい。」


そう言いながらローズは、

フルアダマンタイトのロングソードを構える。


「一撃で葬ってみせる! ― ハァッ!」


パンッ、ドロッ.......


ローズの一撃で目の前にいた複数のスライム達は全て破裂し、その青色の体液を散らしている。


「凄い.....前の剣とは比べ物にならない威力ね....」


加えてその刀身には一切、汚れがついていない。


普通の剣なら斬り付けた時に、血液の様なものが付着

してしまうので切れ味が落ちていくのだが、この剣は

しっかりと対策されている様だ。


.....................


ガサッ


「第二陣か.....今度は僕がやる。」


さあナイフよ、その真価を示してみせよ!


グサッ、パンッ......


「刃が簡単に入る.....やっぱり、おネエでも腕は

 確かだったみたいだ。」 


グサッ.......ドロッ.......グサッ..................


...........................


それから暫くローズと一緒にスライムを狩り続けた。


「ふぅ、もうスライムはいないのかしら?」


「結構な数 狩ったからなぁ...

 そろそろ帰る?」


「それもそうね.....もう暗くなってきたし。」


だがしかし!


世の中にはお約束というものが存在するのだ。


「助けてくれー!」


ハッ!


「ローズ、今"助けて"って聴こえなかった?」


「ええ、私にも聴こえた....早く行きましょう。」


そうして向かうと....


「誰か助けてくれー!」


あれは......サイモン!?


そしてあれは......マザースライムとその子供か!


およそ80匹....スライムだから、と侮る事なかれ。


スライムは個々の強さ以上にその連携が厄介なのだ。


「ハッ! おーいフレッド! 助けてくれー!」


サイモン.....必死なのは分かるが、人の方にモンスター

をお持ち帰りするのは御法度だ。


「ローズ! 僕は右から叩く、ローズは左を。」


「分かったわ。 我が一太刀、受けてみなさい。」


流石にナイフじゃ無理だな...


―出でよ、フォトニックセイバー!


「来たぞ!」


チッ、一度では捌けない数か...


マザースライムは.....奥にいるな。


マザースライムと一緒にいたってことは、こいつらは

ベビースライム...魔法は使えない......


魔法対策は必要ないはずだ。


そう思っていたのだが......


「うぐッ!」


突如として体に流れた電流によって全身が痺れる。


今のは....魔法?.......ということは!


「ローズ! ベビースライムは囮で、

 中にマザースライムの分体がいる!」


「きゃぁ!」


ローズも攻撃をくらったか....痛っ! 


突如として、攻撃を受けていないはずのアルフレッドの体に痛みが走る。


「何だ、今どこから攻撃を受けた?」


謎の痛みに困惑していると、いつの間にかローズと

共にスライムによって囲まれてしまっていた。


「二人で固まっていると剣が振れない.....

 ローズ、僕がスライムの囲いの外に出るから、

 そしたら剣を振るってくれ。」


「そんなこと出来るの? 

 囲いから出る方が危険じゃない?」


「大丈夫、しっかりと策はある。」


「そう...分かったわ。 でも、そろそろスライムが

 襲い掛かってくる....もう始めましょう。」


「それじゃあ...... 3 · 2 · 1 !」


―グラヴィティコントロール!


...........................



スライムは視覚が発達していない....  

だからフラッシュの様なスキルは効果がほとんどない。


視覚の代わりにスライムは魔力を探知し、周辺を把握するのだ。


生命体からは常に魔力が放出されていて、それを

スライムの様なモンスターは認識する。


ならば、グラヴィティコントロールで自身の魔力をその場に残す....言い換えれば魔力の残像を作り出し、

自分から出る魔力を抑える......


名付けれぱ、魔力デコイ作戦だ。


「ローズ、もう大丈夫だ!」


「了解よっ! 今度こそ吹き飛ばしてみせるわ!」


そしてスライムは突撃を始める。


ローズと僕の......魔力の残像の間に入り込み、

同士討ちを恐れて攻撃出来ない様にしようとする個体もいるが.....


フッ、だがそれは......


「ハァアー!」


....残像だ!


これで大半のスライムが潰された。


残るはマザースライムとベビースライムが数十匹程度


だがここで、思わず驚愕する出来事が起こる。


「マザースライムがベビーを吸収している?」


何故? スライムはその数が強みなはず.....


一体、何が目的だ?


そんな驚きを他所にマザースライムはベビースライムを吸収しきった。


そして別の何かに変化しようとしていた、その時.....


「アサルトレイ!」


ローズが咄嗟に魔法で攻撃する。


無駄だ....こういうのはお約束って奴だから、

これだけで倒せるわ...け...が?


「魔法だけでも倒せるのか....」


マザースライムはその膜を魔法によって穿たれ、

既にその原型を留めていなかった。

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