第12話 昔読んだ異世界モノ
前回の閑話の内容が関わってくるので、まだ読んでない人は先に閑話を読むことをお勧めします。
昔、僕が読んだ異世界モノの話をしよう。
その物語の主人公は、西京成尾というごく平凡な高校生。
ある日、同い年の弟の西京葛尾と一緒に下校している時に、トラックに轢かれ死んでしまう。
気づけば2人は神界に飛ばされていて、神の頼みで
異世界転生し、邪神を討伐することになってしまった。
その時 成尾は普通の剣を、葛尾は魔剣を神から貰い、
それぞれ別の場所に転移させれてしまう。
葛尾は転移させられてすぐに魔剣の力によって最強の称号を手にする。
対して、成尾は努力して 地道に実力をつけていくと
いった具合だ。
葛尾はそのままの勢いでついには邪神を討伐し、
世界の平和は保たれたと思われたが、実は邪神は、
葛尾に取り憑いていて、葛尾は邪神に体を乗っ取られてしまう。
成尾は長い冒険の中で最強で呼ばれるまでの実力を身につけていたが、旅の途中で弟の話を聞き、
乗っ取られてしまった弟の解放を目指す。
成尾は対話での解決を試みたが、相手にされず ....
葛藤の末に、弟ごと邪神を斬ることを選ぶ。
そして 主人公補正によって邪神を打ち倒し、
世界は守られたという話だ。
こう聞くと陳腐な物語に聞こえるかもしれない。
ただ、この葛尾というのが常軌を逸したクズで、
目に着いたいい女をマッチポンプの様な汚い手を
使ってでも手に入れ、飽きたら奴隷商に売りつけるといったことをする人格破綻者なのだ。
だが、物語の終盤 主人公は消えゆく中で後悔する葛尾を慰めるために、「悪いの邪神なんだ、お前は悪くない。だから最後ぐらいは笑っていてくれ。」と言う。
これが読者の反感を買った。
前々から葛尾の回は、炎上寸前にまで評判が悪かったが、この話で遂に完全な炎上状態になってしまった。
そして最終回は炎上を葛尾に擦り付け、主人公に向かない様にしたうえで、主人公がヒロインと結ばれるというものだった。
そう、葛尾は犠牲になったのだ。
主人公の踏み台になるために......
え? なんで突然こんなことを言い出したかって?
なんだか僕がその設定に近い状態だと思ったからだ。
.......
葛尾枠でないことを祈る。




