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第96話:秋は何やっても楽しいよ

さて、秋といえば芸術の秋!

ということで、音楽祭を企画してみた。

「これどうやってひくの~?」

「これはな、こう弦の部分を弓ですーっとな?」

「すーっと?」

「わ!音が鳴った!」

「すごい!おっきい!」

「きれー!」

子供達も楽器に興味津々みたいだ。

演奏ができる村人はウェアウルフの数名だったのだけれど、楽器自体に興味のある村人は多数なので軽い演奏体験会みたいになっている。

一応後で演奏会もやるけれど、ほとんどは楽器の鑑賞会を体験会で時間を使う予定だ。

事前に小さな楽器を作ってもらったり、弾き方の指導をお願いしておいたりしたんだけど、うまいこと子供達が興味を持ってくれてよかった。

やっぱり余裕が出てきたら芸術にも手を付けてほしいよね。

好きなことをやるって選択肢がある前提で行ってほしいものである。

「カノイママー!これは何ー?」

「うん?あぁ、これは木琴だな。」

「もっきん?」

「木でできた楽器だよ~。」

「叩くの?」

「そうそう、ポンポンポンってな。」

「ポンポンポン!」

「これ楽しいね!」

家産の、というか即興で作った木琴も好調の様だ。

個人的には鉄琴も好きだったんだけど材料的に難しかったので保留だ。

都会にはあるのかな?

人生で一度は見て見たいな。いや、聞いてみたいなか?

また懐かしさがあふれそうだな。

「カノイ様!そろそろ準備ができました!」

「お?もうそんな時間?」

楽器で楽しんでいたら演奏会の時間になった。

いや~ウェアウルフ達の演奏楽しみだな~!


「……なんか激しくない?」

「うむ、狩りの前の決起会に行われる演奏である。激しくて当然だ。」

「そ、そうなんだ。」

もっとクラシックな感じをイメージしてたけれど、まぁこういうのもありか!

子供達もノリノリで鑑賞しているしな!

「ノリノリ~!」

「ずんちゃんずんちゃん!」

「すごい!かっこいい!」

うんうん、芸術を鑑賞するのって大事だよな。

心が豊かになるっていうか、いや、生きるのには一切必要ないんだけど。

あると幸せになれるんだから必要っちゃ必要なものだよな。

そんなことを考えていたらいつの間にか演奏会は終盤へと向かっていた。

最後の曲はレクイエムらしくて落ち着いた雰囲気の音色が響いている。

そういえば、お盆みたいなイベントってハロウィンくらいだったな。

演奏会の時にもご先祖様への祈りを捧げるのもいいかもしれないな。

「カノイママ~?レクイエムって何?」

「う~ん、死んじゃった人を慰める歌、かな。」

「そっか~だからお歌を歌うんだね~。」

そういう考えは新視点だな。

そういえばレクイエムって鎮魂歌か。

歌付きで初めて完成するんだな。

おぉ、ちょっと感心してしまった。

なるほど、鎮魂歌。

これは大切なことだな。

「よし!皆で歌うか!」

「うん!」

「やったー!」

「お歌練習するー!」

こうして後半は皆でレクイエムの練習をすることになった。

来年からは演奏会の最後で皆で歌えるといいな。

カノイ・マークガーフ、23歳、音楽で見識を広げた秋の出来事である。

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