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第8話:モンスターと動物の判別が正直つかない

紅葉した木々の中、村人達は血の気の多い装備で例の広場に集合していた。

「皆!斧は持ったかー!」

「「「うおおおぉぉぉ!!!」」」

「薬草は持ったかー!」

「「「うおおおぉぉぉ!!!」」」

「安全第一ー!」

「「「うおおおぉぉぉ!!!」」」

血気盛んに叫ぶご老体から若者まで。

正直テンションについていけないのだが、これは家の伝統行事らしい。

その名も狩猟祭。

冬を越すための毛皮、肉、脂を手に入れるため、モンスター狩りを行うお祭りである。

ろくでもねぇな。

私はもちろん不参加。

子供の参加するものではない。

だが将来的に参加することになるだろう、ということで見学中である。

大きなお世話である。

絶対に参加したくないのである。

いやだよモンスターに食い殺されて死ぬとか。

足踏まれただけで全治何か月だよ。

いや、それは家畜も同じか。

ん?というかこっちの世界の家畜ってどんなものだろうか?

まさか、モンスターじゃないだろうか?

そうだとしたら私の将来の夢から牧場主を排除することになる。

「家畜のカトブレパスとは違い、野生のモンスター達は凶暴だ!気を付けて狩りを行うように!」

「「「うおおおぉぉぉ!!!」」」

私は将来の夢からそっと牧場主を排除した。


村人達のテンションとは反比例して狩りは比較的穏やかに行われていた。

罠にかけたカトブレパスに頭から布をかぶせて捕獲したり、飛んでいるルフを弓で狙ったりとなかなか面白そうだ。

「カトブレパスは目を見れば即死だ。気を付けて捕獲しろ~。」

訂正。かなり物騒だった。

「今日は皆で豚汁を作ろう。大鍋で煮込んだ豚汁は絶品だぞ~。」

間延びした声で父が告げる。

豚汁……おそらく過去の転生者が味噌の作り方を布教してくれたのだろう。

ありがたや。ありがたや。

そんなこんなで宴もたけなわ、豚汁の大鍋は空っぽになり、村中の人々は温かな料理に舌鼓を打っている。

なんというか、幸せだ。

平和っていいよね。私は大好きだ。

この平和を崩さないためにも、私は私にできることをしよう。

とりあえず、狩りはできないことだ。

カノイ・マークガーフ、1歳、決意を新たにした秋の出来事である。

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