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第77話:出産の痛みに例えるもの無し

「あーいたいいたいいたい!」


どうも、絶賛出産中のカノイです。

ただいま身を引き裂かれるような痛みに襲われております。

誰だ!?鼻からスイカを出す感じとか言った奴!

そんな感じやったことねーからわかんねーよ!

とにかく痛みがすごい!体が引き裂かれる!

というかリアルに切れてる!切れてるって!

痔なんかの非じゃねーぞ!

あー!もう駄目だ!気が遠くなる!死ぬかもしれん!


「で、生まれたのかこの子達ってわけ。」

「いや、今の話からけろっとしてるのはおかしいだろ。」

「いや~なんかさ、産まれてきたら痛みより安心感のほうが勝っちゃって……。」

「よく頑張りましたね。二人も産まれてくるなんてかなりの重労働でしょうに。」

「いや、一人を産んだことないからよくわからんけどとにかく重労働だった。」

「本当に母子ともに健康体でよかったよ。結構危うい人もいるらしいからな。」

「母か……そうか……そうか……。」

「いやどういう感情ですか。」

前世男だったのになって感情です。

「私も男らしくありたいね。」

「出産経験してるのにけろっとしてるのは大分男らしいぜ。」

「出産経験ありってかなりのアドバンテージですよ。人間的に。」

「まぁ動物的にもアドバンテージだよね。もうしたくないけど。」

「次は僕達が産みましょうか?」

「「え?」」

「お、おう、頑張るわ。出血大サービス。」

「無理せずゆっくりでいいですよ。」

「え、普通に怖いんだけど。俺も産むの?」

「カノイ様にだけ苦しい思いをさせる気ですか!?」

「俺も大分がんばって出血したが!?」

「おぉ!?言ったな!?出産のほうが大変だから覚悟しとけよ?」

「やだー!」


「よし!名前決めるぞ名前!まず双子だから似た名前がいいと思う!」

「分かりやすいですよね。ジェイルとエイルとか。」

「えーでも意味を持たせるとしたら難しくないか?」

「辞書もってこよう辞書!」

「僕取ってきます!」

「え、じゃあ俺語感がいい言葉考えとく!」


「えーということでシェリルとチェリルに決定です!」

「可愛いですね。」

「いい意味もある!」

「大きく育てよ~愛し子達よ~。」

新しい生命の誕生。

正直初めてのことばかりだったが、産まれてきてくれたことへの安心感と喜びを考えれば全然苦では……いや、やっぱりちょっと苦しかったな。

でも、もしまた妊娠する機会があったら迷うことなく産むだろうなってくらいには感動した。

実の子ってこんなに可愛いんだなって、兄弟が生まれてきた時とは別の感情の動きだった。

「シェリル、チェリル、産まれてきてくれてありがとう。」

さて、今日はもう疲れたし眠ろうか。

カノイ・マークガーフ、18歳、親子ともに安全に出産を終えたことを感謝したくなる冬の出来事である。

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