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第72話:嘘には本音を少し混ぜよう

秋、狩猟祭と収穫祭にウェアウルフ達も参加させることで交流を図ることとなり1年目。

狩りは壮絶なものとなっていた。

「うぉー!ルフは我々がいただいた!」

「なんかよくわからんモンスター採ったぞー!」

「新種のモンスターかと思ったらマンドラゴラじゃねーか!」

「煩いぞ!早く捨ててこい!」

「……なんか、激しいな。」

「しょうがないよ。久しぶりの狩りだもん。」

「最近はほとんどウェアウルフ任せだったからな。気合の入り方がちげぇ。」

皆狩り好きだもんな~。

思えば私達が生まれる前からあるお祭りだ。

村人全員そろって参加しているのだからすごい。

今も計80人が千切っては投げ、千切っては投げ。

私達若者は捕れた獲物の回収と血抜きが主なお仕事だ。

ということで大人しくお仕事お仕事。

「うげぇ、やっぱ苦手だわ。」

「血と肉はやっぱトラウマだよなぁ。」

「もはや久しぶりですね。」

そういえばそうだな~。

もうあれから10年以上たつのか~。

あれからウェアウルフ達とも仲良くなって、家族になって。

よくリボルもヴァイスも許せたな。

「そりゃあカノイが許したんなら許すしかないだろ。」

「カノイ様次第ですね。もし殲滅せよと言われていれば殲滅に向かったかも。」

「いやいやいや怖い怖い怖い。」

従順に従い過ぎだって!

別に言うこと聞いてほしいわけじゃないから!

「はは!まぁ自業自得みたいなところあるしな!」

「ふふふ!そうですね!あの時はやんちゃしてましたね?」

「そういえば二人共止めたのにずんずん進んでいったんだよな。あれ?思いのほかやんちゃだな?」

「あはは!」

「ふふふ!」

「ははは!」

「懐かしいな!思いっきりざっくりいかれてさ!」

「バラバラでしたよね!」

「怖いよ!いや怖かったよ本当!」

「で、あの能力は何だ?」

「あ。」

そういえば言ってなかったー!

「な、内緒じゃ駄目?」

「「駄目ー!」」

「ぐっ!しゃあないな。皆には秘密だぞ!」

私はデバッグモードについてリボルとヴァイスに説明することにした。

まぁ今後一生を共にする覚悟はできてるから言っといたほうがいいだろう。


「てなわけで、この頓智気能力があるんだ。」

転生者であることは黙っておくがな!

「へー誕生日に目覚めたのか。」

「あの時そういえば立ち止まってましたね。」

「そうなんだよ。で、16歳で完璧になった感じ。」

「そっか~そりゃなんとも心強いな。」

「最悪の事態が避けられるのは助かりますね。」

「……私のこと怖かったり引いたりしてない?」

「「なんで?」」

「なんでって怖くない?こんな能力者。」

私なら怖いしドン引きだと思う。

「でも、お前はその能力で俺を助けてくれたんだろ?」

「それに、能力を使う時も被害が最小限になるようにいつも考えているじゃないですか。」

「全然怖くねぇよ。」

「むしろ偉いと思います。」

「ふ、二人共……!」

本当にいい友達に恵まれたな!

あ、いや、今は恋人か。

え、そう思うとなんかドキドキするな!

「な、なにはともあれ、受け入れてもらえてよかった!」

「俺達がカノイを受け入れないわけないだろ~!」

「他の誰が何と言おうとカノイ様はカノイ様ですしね!」

「いや、本当にありがたい……。ありがた過ぎるくらい。」

ちょっと泣きそう。最近涙腺緩いな。

「さて!血抜きも終わったし、肉運び込もうぜ!」

「そうですね。そろそろ運び始めないと。」

あ!そういえばお祭り中だったー!

「よ、よし!皆急ぐぞ!」

「おう!まかせろ!持てるだけ持ってく!」

「あ!待ってください!急ぐとこけますよ!」

カノイ・マークガーフ、17歳、10年越しのカミングアウトをした秋の出来事である。

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