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第71話:ジューンブライドも気分次第

そんなわけで全員分のスーツを縫い終わりました。

私はまだ結婚する気はないし、フロージとクーも年齢的には結婚できないんだけれど、とりあえず式だけは先にあげとけと言う圧を感じて全員分縫うことになったのだった。

なんで私が縫ってるのかというと裁縫できる人がほかにいなかったからである。

なんで皆針持つと折れるんだ……。

そんなわけで服飾店の店主と2人でせっせと全員分縫ったわけだ。

いや、ワンシーズン終わっちゃったよ!

そんなわけで夏の結婚式。ジューンブライドってこの季節だっけ?

デザインは涼しげに白と水色で整えて、形はスーツとドレスを合わせたようなひらひらとしたパンツスーツだ。

これを着て皆結婚していくのか。うぅ……。


「皆ぁ綺麗だぞぉ……。」

「カノイが一番泣いてんじゃん。」

「カノイ様、まるで全員の親の様ですね。」

だってさぁ、小っちゃい頃から見てきた子達の晴れ姿だぞ?

泣いちゃうだろ!?

うぅ……。皆大きくなって……。

「カノイ様~、カノイ様の結婚式でもあるのよ?」

「そうだぜ!そもそも俺ら結婚するきないし!」

「そうだよ!兄弟仲良く繁殖するだけで結婚はしないよ!」

「えぇいしとけしとけ!とりあえず結婚式で晴れ姿をみせとけぃ!」

「「へーい。」」

「そして私もスーツ!結婚まだだけど!」

「カノイ、フロージ、ヘディン……逞しくなって……。」

「あらあらまぁまぁ、皆綺麗になったわね~!」

「「「パパ!ママ!」」」

「親御さん達は最前列へ!村人は入りきならいので立ち見でお願いします!」

「皆さんこちらの白いお花を胸ポケットにさしてご参列ください!」

「おぉ、ヴァイスとシュバルツが頼もしい!」

「ウェアウルフ!もっとこっち来いよ!」

「今日から名実ともに家族だろ!ほら!飲め飲め!」

「う、うむ、なんというか、剛毅だな貴殿ら。」

村人達のテンションにルーたちもたじたじだ!

しかし、それもしょうがない。村の子供は皆の子供だったのだ。

つまり家に輿入れしてきたってことは皆と家族になるってことだ。

そういうわけで結婚式は始まった。

「汝、この者を永遠に愛することを誓いますか?」

「「「「「誓いまーす!」」」」」

「では愛する人と血の盟約を……。」

いや邪教かよ!こんなところでまた会っちゃったよ!

「血の盟約って何するの?」

「お互いの血を飲むんだよ。」

「え!?」

それってもしかして……。

「では、お覚悟を!」

「痛ったー!」

「痛てぇ!」

「「ぎゃ!」」

「にゃ!」

「ひっ!」

「うっ!」

「ぴっ!」

「わっ!」

だから先に言ってってばー!


「では、血の盟約を交わしましょう!」

「「「「「は、はい。」」」」」

今逆らってはいけない。というか逆らう選択肢が消された……。

「じゃ、じゃあせーので行くか!せーの!」

ずぽっとそれぞれの指を相手の口に突っ込む。

痛い痛い、2本は痛いって!

「ぺろっとはい終了!」

「お、終わった……。」

「よかったぁ。」

「痛いよぅ。」

「ジンジンする~。」

こればっかりはしょうがない。

ということで結婚式終了!

終わったら2次会!立食パーティー、という名の鍋祭りだ!

今回はなんと!巨大鍋のデビュー会なのだ!

「でっかーい!」

「これで全員お腹いっぱい食べれる?」

「どうだろう。足りなかったら鍋を追加するか!」

「わー!すごいすごい!」

「おっきなお鍋いっぱいのシチューだ!」

よしよし、鍋の調子は良さそうだな。

さて、最後の大仕事だ!

「最後の大仕事!ケーキ入刀!」

今回はクリスマスケーキと同じサイズのケーキを5セット用意した。

これでお腹いっぱい食べれるだろう!

「よーし行くぞー!とりゃー!」

「「「「「はー!」」」」」

ザブーン!と生クリームとスポンジが割れる。

ケーキ入刀完了!

「よし!皆で取り分けて食べよう!」

「「「「「おー!」」」」」


「おいしいおいしいね!」

「うーん!美味しい!」

「皆に渡してもまだ残ってる……。」

「作り過ぎたかな?」

「まぁ持って帰ればいいよ。」

「うむ、では存分に頂こう。」

「ウェアウルフよく食うな~。」

さて、宴もたけなわ!

結婚式は大成功!

皆こうして家庭を持っていくことになるんだな~。

うぅ、またちょっと涙が……。

カノイ・マークガーフ、17歳、合同結婚式を開いた夏の出来事である。

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