第66話:16進数も読みにくい
16歳の誕生日!
今日こそはデバッグモードの中身を翻訳するか~とページを開いたところ、
「あれ?全部翻訳されてる……。」
う、嘘だろ!?
今までの苦労は何だったの!?
い、いや、翻訳機能が付いたことはいい。
ありがたいものとして受け取っておこう。
それはそれとして、能力で見えたものがやばい。
「どこの国家もボロボロじゃねーか!」
そう、国家がことごとくボロボロだ。
王国は比較的安定はしているが武力が不足している。
帝国には物資が不足。連合国には水不足以外にもスラム化なんかも起きているっぽい。
なんでこんな状況に……もしかして本当に世界がバグっているのか?
うーん、もしかしてこの能力ってそれを解決してほしいから与えられた?
他人まかせすぎるぞ!
しかしそうか、なんというか納得がいったかもしれない。
そりゃあこんな頓痴気威力の能力がないと解決できんことばかりだ。
あぁしかし、生まれ変わったのが私だったのが運のつきだ。
関わらんぞ!絶対に関わらんぞ!
私はこの能力で穏やかな田舎生活を満喫するんだ!
……はぁ。本当にやばくなったら何か手を考えよう。
こんなんで戦争とか起きたらたまったもんじゃない。
今日は誕生日。楽しむことだけ考えよう!
「はいタッチ!ジェイル捕まえた~!」
「うお!?カノイ様か!まさか逃げる前に捕まるとは……。てか気配かんじなかったぞ!?」
「ふっふっふっ!私の忍び足も日々進化しているのだよ!」
隠れ鬼のおかげで隠密スキルと逃げ足スキルがアップしている気がする。
これならだれに追いかけられても逃げ切れる自信があるぞ!
はっ!いやいやそもそも逃げる状況になってはいけない!
安全第一!絶対安全!間違っても他国に侵入とかはしないぞ!
あ、でも旅行はしたい。
とりあえず今年の夏から秋にかけては大人になった皆で王都に旅行に行くつもりだ。
その辺は楽しみ!兵力とか武力とか関係ない!
出来たら技術を盗みに行くぞ!
「よーし!次はだるまさんが転んだしようぜ!」
「ジェイルお気に入りだな~。いいぞ~やるか!」
そんなわけでいつも通り隠れ鬼にだるまさんが転んだで遊ぶ生誕祭。
今年はまだ巨大鍋の発注中なので大鍋祭りは2回に分けて行っている。
今は隠れ鬼で捕まった奴らが食べている頃だろう。
次はだるまさんが転んだで手を繋ぐ代わりに食べる時間だ。
あれ?これだとさてはジェイルが食べるタイミングがないな?
……まぁ本人が気が付いて食べに行くのを待つか!
そんな感じで、生誕祭は何とかうまいこと回っている。
来年には巨大鍋を囲んで皆でシチューを食べていることだろう。
やっぱり平和が一番だね!
カノイ・マークガーフ、16歳、世界なんか知ったことじゃないと改めて思う春の出来事である。
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