第63話:安全確認はとっても大事
夏、ということで毎年恒例プール開きでございます。
ということで、
「ハイウォーター!」
ざばーん!
と水しぶきの音、一発でプールの完成!
いや~中級魔法、ありがたいね。
あ、ちなみに中級魔法は頭に"ハイ"を付ける人が多いらしいぞ!
初級魔法との差別化のために呪文を変えてみた。
ちなみに上級は"ヘル"なんだとか。何それ中二病。
本日はさらにさらに、
「アイス!」
ピキーン!
と水面が凍る。
「いっせーのーせ!」
凍った水面を殴りつけるとパリーンと音を立てて水面が割れる、
「よっし!かち割り氷入りプール完成!」
心なしか空気も涼しくなっていい感じだ!
「お~!いいじゃんこれ!ちょっと痛いけど。」
「見た目も涼しげですね~。」
「ふっふっふっ!海に負けるわけにはいかんからな。よし!水着は着てきたな!入るぞ!」
「「おー!」」
「あ~溶ける~。」
「暑ければ暑いほど気持ちいいんだよな~。」
「温度差がちょっと怖いですね~気を付けないと。」
暑い日のひんやりプール最高だな~。
「これ、進化させてスライダーとか作りたいな~。」
「スライダー?」
「作れるものなんですか?」
「どうだろう?頑張れば行けるか?とりあえずグルート呼ぶか。グルートー!」
「どうすればいいの?」
「私がハイウォーターをうつから、波が来た瞬間にアイスをうってほしいんだ!」
そうすれば滑り台ができるはず!
「ということで行くぞ!ハイウォーター!」
ざばーん!
「……今だ!アイス!」
「いくぞ!ハイアイス!」
ピキーン!
と凍る波!尖る飛沫!
「あぶな!飛沫あぶな!」
「めっちゃ尖ってんじゃん!」
「刺さりますよこれ!」
「うん、満足……。」
「どうするかな~。削るか?」
「ファイアで溶かすか?」
「そうですね、滑らかになるんじゃないですか?」
「ファイア使えない……。」
「グルートは休憩でいいぞ~。ありがとうな~。」
そんなわけでファイアで溶かす作戦開始!
「「ファイア!」」
とろとろと溶け出す氷。手元に火を持っていなければいけないヒリヒリ感。
「これあぶねぇな。火を一定の場所に維持するの。」
「でもこれかなり訓練になるな。村人に推奨していいかも!」
尖っている場所が溶けるように火を近づけたり遠ざけたり。
この微調整がなかなかに難しい。
いいぞ~技術が上がっていく。
この調子で料理にライトアップに色々使っていこう!
「お?もういいんじゃないか?」
「よし!滑ってみようぜ!」
「気を付けて下さいね!」
滑り台完成だ!
「よし行くぞー!ウォーター!」
「せーの!」
即興の滑り台から滑るとぐんぐん速度が増していく。
「うわー!」
「はやーい!」
「止まらないー!」
「ふふふ!」
すぱーんっと体が跳ねる。そうして思いっきりプールにダイブ!
ざばーん!
「へへー!楽しいー!」
「僕はもういいかな~。」
「もう一回!」
「あー!水が廊下に!掃除が大変になるやつ!」
そんなこんなでウォータースライダーは完成!
人力が必要だけど!今度はトムも誘おう……。
「なによこれー!」
「絶対楽しいやつー!」
「僕もやりたいやりたい!」
お、いつもの奴らが集まってきたな?
さて、掃除のことは忘れて、今日も存分に遊ぶか!
カノイ・マークガーフ、15歳、アクティビティを楽しむ余裕が出てきた夏の出来事である。
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