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第62話:プレゼントは心意気

15歳の誕生日。あと1年で16歳か~能力の進化も来年で打ち止めかな~。

なんて思いながらデバッグモードを開く。

ここはウェアウルフの住宅街。

ルーの家の前にあるなんかよくわからない骨のオブジェクトの上だ。

いや、本当なんなんだろうこれ。

適当に組み上げたような、それにしては高いような、絶妙なバランスで成り立っている。

正直上に乗ったことを後悔しつつある。

まぁここならルー以外現れないだろう。

ということで存分に能力を発動する。

えーっと最近脂が不足しているから、廃油を未使用の脂に変換する。

流れ作業でぼたぼた落としていくと、下で待機していたウェアウルフ達が桶をもってキャッチしに駆け回る。

これは遊びも兼ねているので下にはウェアウルフの子供ばかりが集っている。

ウェアウルフの子供達は合計5人。

ロボ、ルプス、ルーチェ、エードラム、クーだ。

適当につけた割には差別化出来ていて改めて言語の幅を感じる。

前世で中二病な知識を蓄えておいてよかったとこの時ばかりは思った。

ちなみにクーは人懐っこいためかヘディンとすぐ仲良くなった。

他の子供達も家の子達とうちとげて、今では仲よく遊んでいる。

今後のことを考えると、もっと大人達とも仲良くなっておきたいな~。

うん、またなんかイベントとか考えるか。

ウェアウルフ達は従順に従ってくれるので問題ないだろう。

村人達も負けるか!と身体を鍛え上げている人がほとんどだ。

まぁ一部引きこもっている人もいるらしいが。

うん!うまいこと共存していってくれているみたいでなにより!

とりあえず目下、私の誕生日には皆呼ぼうかな。

そうすると大鍋じゃ足りなくなるか?

その辺はおいおい改修するか。

ふふふ、実権は私が握っているのだ!

大鍋を巨大鍋に改修する予算を捻出するぞ!

こういう部分は事務仕事だからできる部分だ。

ちょっと働いててよかったと思う。

いや、やっぱり仕事はしたくないな。

なんとか、なんとか来年には自動化できないものか。

そんなことを半自動で脂を変換しながら考える。

デバッグモード……書類仕事にもつかえないかな……?

い、いや、そこまでやるとさすがにばれるか。

よし、ちょっとしたこと以外では使わないでおこう!

生成した脂桶を受け取りながらそんなことを改めて考える。

よーしよし、みんなよくやってくれた。

ご褒美にあまーい木の実をあげよう。

喜んで木の実を受け取り駆け出していくウェアウルフの子供達。かわいいね。

ちなみにあの木の実の食べられない苦い木の実を変換して作った季節外れの実だ。

レアものである。

実はこういう使い方もできるんだ~便利~。

しかし使いどころがない。

なにせ能力を知っているのはウェアウルフだけなのである。

今のところウェアウルフのために使う以外に使い道を思いついてはいない。

脂桶もウェアウルフからの贈り物として渡してもらう予定だ。

マッチポンプ?いいじゃないか、友好関係のためだもの。

それに実際ウェアウルフの子供達が頑張てくれたおかげで無事桶に納まっているわけで、私一人の力ではこの量は処理できなかった。

そんなわけで今日はお誕生日プレゼントをマッチポンプでゲットしたわけだ。

「長殿。我々もそこまで薄情ではないぞ?」

「え?」

「生誕祭への土産は用意しておいた。気に入ったようで何よりだ。」

「え?あ!このオブジェがプレゼントってこと!?」

そう言われるとなんというか、愛着が湧いてくるな。

え、大事にしよう。

「とりあえずいつもの広場におけるかな?」

「うむ、あの草原の広場だな。任されよ。」

ということでお祭り広場に新たな仲間が!

なんかよくわかんないオブジェクト!

「なんか、すごいな。」

「芸術、なんでしょうか?」

「でっかいわね~。」

「「何の意味があるんだ。」」

「お二人がちゃんとそろっているところ初めて見ました。」

「でも本当にどういうものなんだろう。」

「わぁ……。」

「あのね!あのね!これはね!子孫繁栄と無病息災をお祈りするものなんだよ!」

「クーちゃん!そうなの?」

「物知りね~ウェアウルフさん達お兄ちゃんのことお祈りしてくれたんだね!」

久しぶりにみんなで集まって鍋を囲む。

新しくウェアウルフの子供達も集まってくる。

うん、相変わらずいいお祭りだ。

皆で楽しめるってところがいいね。

でも案の定ウェアウルフ分のシチューも含めると皆1杯分しか食べられんかった。

お腹いっぱい食べさせてあげたいな~巨大鍋、本当に検討するか。

カノイ・マークガーフ、15歳、能力を有効に活用した春の出来事である。

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