第60話:思いやりは学ばないとえられない
秋の狩猟祭、開始です!
いくぜ!久しぶりの森へ!
と思ったんだけど、モンスターいねぇ……。
ウェアウルフ達が狩りに出かけた後だから何にもいない!
これは食料問題ですよ!
ということでウェアウルフ達が住む村に突撃!
「ウェアウルフ~!森のモンスターがいないんだけど~!」
「む?長殿か。森のモンスターならある程度狩り尽くしたぞ?」
「狩り尽くしたぞ?じゃないよ!流石にちょっとくらいは残しといてよ!」
「繁殖に問題ない量は残してある。心配するでない。」
「いやいやいや。」
それにしたって居なさすぎだって!
というか独り占めはだめだって!いや30人居るけど!
「乱獲反対!美味しいものは皆で分け合うべき!」
「むぅ、仕方がないな。では狩猟で得た肉を分けよう。」
「OKOK。じゃあこっちはお野菜をあげよう。」
「いや、それはいらん。」
なんでだよ!美味しいぞお野菜!
しかしこの調子だと今後も同じ問題が起きそうだな……。
なんとか対策しないと……。
うん?そういえば、彼らって学校とか通ってないのか?
そうか!道徳の授業だ!
学校で人への思いやりと助け合いの精神を学んでもらおう!
ということで出張青空教室~!
「いいか!まずは、文字の読み書きから始めるぞ~。その後ははマナー教育。そして道徳の授業だ!」
「「「はーい!」」」
うん!皆素直でよろしい!
抵抗なく新しいものを受け入れてくれるから教ええる分には比較的楽なんだよな。
そういう"教える"ってことすらされてこなかったってことでもあるからその辺は少し寂しい気もするが。
「弱者に教えは請わぬ。強者にこそ学ぶところがある。」
「も~そういうとこだぞ!?」
駄目だぞ!誰からでも学びはあるんだからな!
屑からでもこうなっちゃ駄目だなとか学べることはいくらでもあるんだぞ!
「カノイ様って偶に毒吐きますよね。」
「カノイはな~俺ら以外には辛辣だからな~。」
「声に出てたわ。まぁそういうことだから、学んでいく姿勢、大事にしていこう!」
「ふむ、あいわかった。善処しよう。」
「それってやらない奴。」
なんでこういうところ日本的なんだよ!
まぁしょうがない。当分は先生として頑張るか。
そこからはしばらくの間青空教室は続いた。
いや~本当に彼らの覚える速度は速い。
リボルやファンも覚えはよかったし、この世界の人類の特性なのかな?
こう、人まねが上手みたいな。
そ、そういうとなんか人じゃないみたいで怖いな。
え?大丈夫?じん、るい?
…………まぁ大丈夫だろう!
人類人類皆人類!
ウェアウルフも一人類だ!
ほら、今もこうしてしっかり授業を受けて人間的生活を送ろうと……
「何してんの?」
「うむ、サンドイッチなるものをいただいておる。美味いなこれは。」
「そっか~リリア!イザヴェラ!サンドイッチ追加で!」
食欲に負けとる!まぁこれでお野菜のおいしさに目覚めてくれれば幸いだな。
よし!午後からまた頑張るか!
カノイ・マークガーフ、14歳、情操教育を頑張った秋の出来事である。
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