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第57話:職場環境は自分ではどうにもならない

「フロージ、大人になる!」

「んお?どうした急に?」

フロージがお誕生日会の途中に突然言い出した一言はぱっとは理解できなかった。

「フロージちゃん、どうやって大人になるの?」

「お仕事する!」

「え、えらい!パパも見習って。」

「うぐっ、そうだな。仕事しなきゃな……。」

おっと、ちびっ子に言われると思いのほか響くようだ。

しかしなぁ。

「フロージ、お前はまだ子供だ。まだまだ遊んでいていいんだぞ?」

「や!フロージ、私も働く!」

お!一人称から変えてきたか。

「そうはいってもな~。ファンとグルートのおかげで仕事も安定してきたし、無理して働く必要はないんだぞ?」

「う~グルートは働いてるのにフロージ、私は働いちゃダメなの?」

「駄目ってわけじゃないが……。本当にいいのか?」

「うん!私もお兄ちゃんと一緒に働く!」

「うぐっ!」

お兄ちゃんと一緒に働くだと!?

そのために働きたかったの?可愛いかよ!

「フロージちゃん、子供はね、遊ぶのもお仕事なのよ?」

「う~そうなの?」

「そうだぞ~元気に遊んで元気な体を作るのがお仕事なんだよ?」

「パパとママもそうだったの?」

「う~ん、学校があったから遊び続けてたわけではないけどね?」

「そういえばパパもママもお仕事を始めたのは小さな頃だったな~。」

「う~!パパもママも働いてたんでしょ!私も働く!」

「あ~あとちょっとだったのに!」

「パパ~!」

「ご、ごめんって。でも小さい頃からパパも家の手伝いに書類整理はしていたし、ママも国を動かすための勉強として政務に関わっていただろ?」

「それはそうだけど……。」

「それはそうなんだ。初耳だわ。」

「いいんじゃないかな?ちょっとくらい将来のために仕事を手伝ってもらっても。」

「ヘディンもー!働く!」

「「「「ヘディンは遊んでなさい!」」」」


なんだかんだといっても子供の我儘はまかり通るものでして、執務室にフロージが仲間入りしました。

「私、頑張る!」

「あら?フロージ、私って言ってたっけ?」

「大人っぽい……!」

「可愛いだろ~大人への第一歩なんだってさ。」

「へ~。」

「さて仕事だ!グルートは書類の整理を!ファンはこっちの資料にサインを!フロージは……ハンコ押してもらうか!」

「「「はーい!」」」

よしよし、いい感じに職場が整ってきた。

これから速度を上げていって遊ぶ時間を捻出するぞ!

「そういえばパパは?」

「隣町まで営業周りですって。」

「うーん、それはパパにしか出来んな~しゃあない今日は皆で頑張るか。」

父上も遊んでばかりではないのだった。

全員出勤中!

カノイ・マークガーフ、13歳、職場の環境が整った冬の出来事である。


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