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第54話:1年に1歳年を取るということ

13歳の誕生日。

そう、大人になってから初めての誕生日!

久しぶりに皆と遊べるな~!

思えば長いようで短い1年だった……あれ?ほとんど王都の記憶しか無いな?

それもそのはず!なんとそれ以外の期間は書類漬けの生活だったのだ!

いや本当しんどいって。

「はぁ!?これ先週までの資料なんですが!?アラン!新しい資料を……スミス!それは昨日終らせた分!今日のはそっち!あぁもう父上どこ行った!?」

本当に、大変な1年だったなぁ。

父上は逃げるし、執事達は有能だけどミスが多いし、母上のほうが仕事してるまである。

そう、実は母上ってちゃんと仕事をしていたのだ。

国から送られてくる資料のほとんどは母上が処理してくれていた。

「あなた達を産んだ時はお仕事どころじゃなかったけど、子育ても落ち着いてきたしね~。」

ありがとうママ、もっと頑張ってくれパパ。

あ、ちなみに大人なってもパパママ呼びなの?とか言っちゃう人もいるかもしれない。

かくいう私も前世では中学生くらいでお母さんお父さんにシフトした口だ。

しかし……今世ではちょっと変えにくいかな。

というのも一度父上母上呼びをしたときに、

「もうママって呼んでくれないの?ぐすん。」

といった具合に泣かれてしまったのだ。

もうしょうがないな~ということで今もこれからもパパママ呼びだ。

なんとでも言ってくれ。私はマザコンでファザコンでシスコンだ。

なんていうか、ファミリーコンプレックスだ。あれ?ファミコン?なんか懐かしい響き。

しょうがないよね。皆かわいいもん。

ほら、こう考えていくと仕事をほっぽり出して見回っりに出ていった父上もかわいく見えてこない?

こないか。そっか~。

でも母上とフロージとヘディンは可愛いでしょ?

だって好きな人のために乙女になっちゃう母に兄である私に無条件に懐いてくれる弟達だぜ?

自慢の母と兄弟だよ!

ちなみにメイドと執事はどちらかというとかっこいい。

メイド達は仕事のプロフェッショナルって感じだし、執事達は父上の分の仕事も肩代わりしてくれている。

小さい時から見てきたその背中は憧れだ。

でも、父上も母上もメイドも執事も私より先に死んでしまうんだよな。

フロージとヘディンには先に死なれたら困るけど、順当に行けば私が死んだ後に亡くなる予定だ。

新たにメイドと執事を雇わなければならないのかとか、父とは母が亡くなると私が一番年上になるんだなとか、考えてしまうと悩みは増えていく。

は~死なない体が欲しい。

まぁ無理だよな。可能だったら転生賢者は死んでいない。

それにしたって死ぬにはまだ早い。

せめてゆっくりと、年を取ることを楽しもう。

「カノイ様~?早く来ないとシチューなくなっちゃうわよ~?」

おっと、ファンに呼ばれたから行かなければ。

今日は私の誕生日。

私が1年寿命を消費した結果を見る日だ。

カノイ・マークガーフ、13歳、年を取るということを改めて実感する春の出来事である。

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