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第40話:血抜きはおいしくいただくためにやる

収穫の秋、みんなが大忙しの秋。

そろそろトラウマも薄れているだろうということで今日は狩猟祭の応援に行くことになった。

「森ぃ……。」

「こわい……。」

まだ駄目そうですが強行突破しま~す!

というのも今年は成人したファンとジェイルとエイルの初出陣の日なのである。

去年は逃げ回っていたらしいが今年はしっかり捕まっていた。

「えーカトブレパスは牧場で見飽きたわよー。」

「鳥を射落とすとか名人芸かよー。」

「命がけで動物を狩らなくても何とかなるでしょ家ならー。」

なんとこの3人、まったくやる気がないのである。

応援のし甲斐のないやつらである。

「がんばれ~。がんばったらご褒美にアイスあげちゃう!」

「「「よし、やるか。」」」

ちょろいやつらである。


狩りといっても新人の担当は捕獲したカトブレパスと射落としたルフの運搬や血抜きの練習だ。

「うげぇ。血が噴き出してくる。」

「もっと角度をこう!」

「ファンは絞め慣れてるからいいよな~。」

「まあね。慣れって大事よ。」

やはり動物周りのことはファンにイニシアティブがあるようだ。

「血……血が……。」

「肉が切れる音……。」

こっちはこっちでさらにトラウマが刺激されたらしい。

いやそりゃそうか。かたや自分の体がばらばらになり、かたやその肉塊を間近で見てしまったのだから。

かくいう私もちょっと吐きそうだ。おぇ。

まぁ血抜き自体はお肉を美味しくいただくために必要な作業なので頑張っていただくしかない。

後2、3年もすれば私達も参加しなければならないのだ。慣れねば。

そうこうしている間に絞め終わったお肉を運搬する作業に入っている。

体に対して圧倒的に大きいカトブレパスとルフを運ぶには台車が必要だ。

そんなわけで台車をえいこら押しているファン達を眺める。

おー大物だー。

今夜は豚汁だな。

そうか、久しぶりに見たが、こっち側の作業は見ていなかったな。

自分達も数年後にはこの作業を担当するのか。

これくらいなら、できそう、かな?

いやまだ油断ならん。

もしかしたら大量のお肉に押しつぶされて死亡なんて言う事故もあるかもしれない。

「うん?そうだな~昔そういう事故もあったらしいな~。今は量を絞っているから大丈夫だぞ~。」

いやあったんかい。事前に対策されてたわ。

まぁそれなら安心か。

「あー疲れたー!」

「もう何も運びたくないー!」

「グロかったですね、全体的に。」

「皆お疲れ~。ほれ、アイスを進呈しよう。」

「「「やったー!」」」

うーんちょろいやつらである。


「豚汁うまい!」

「照り焼きもうまい!」

「獲れたては美味しいね!」

本日の夕飯は大鍋の豚汁!

あとルフの照り焼き!

照り焼きってことは醤油を伝えてくれた人がいるんだな。

ありがたやありがたや。

こうして美味しいジビエに舌鼓をうち、いただいた命に感謝するのであった。

あーうまい!

カノイ・マークガーフ、9歳、ご先祖転生者と自然の恵みに感謝した秋の出来事である。

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