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第32話:手を合わせてくださいって大人になってもやったほうがいい

なんやかんやとありまして、無事教室が完成しました!いえい!

寝室1室分を予定していた教室でしたが、もろもろの家具を運び込もうとした結果、壁をぶち壊して2室分使用することになりました!

親の脛、ありがたやありがたや。

大丈夫!いつか恩返しするから!

そんな感じで完成した教室をお披露目!

皆喜んでくれるかな?

「うおー!これが学校かー!」

「え、先生はカノイ様がやるんですか?」

「カノイ様!あたしマナー教育受けたい!」

「俺剣の使い方!」

「僕は、歴史がいいな。」

反応は上々である。

やったぜ!

「カ、カノイ様!僕は、文字の読み書きがいいです……。」

「カノイ様、この本読んで。」

「カノイ様!体の鍛え方とかってありますか?」

お?いつもは大人しい年少組も乗り気だな?

よしよし、それじゃあ、

「まずは、文字の読み書きから始めるぞ~。先生の書いた字をまねして書いていこうな~。」

「「「はーい!」」」

なにはなくとも、これだけは覚えといて損はない!

ということで1時限目は国語から!

どんどん皆の名前を書きだしていく。

「これがカノイ、これがフロージ、リボルにヴァイス、シュバルツ、ファン、トム、ジェイル、エイル、グルート!あとこっちがヘディン!」

「へー!」

「カノイ様カノイ様!書けたわ!見て見て!」

「カノイ様!見てください……!」

「エイル、これであってるか?」

「あってるよ、ジェイル。」

「兄さん、これ……。」

「うん?良く書けているよシュバルツ!」

うんうん、皆で見直し、大事だよね。

「……。」

「グルート君書けたかな~?お!よしよし!ちゃんと書けてるな!」

偉いぞ!と撫でてやると無表情だった顔がふにゃりと笑う。うん、かわいい。

「皆、自分の名前は書けるようになったな~?じゃあ次は……体を動かすか!剣の振り方について、学んでいこうな!」

「「「はーい!」」」


剣の振り方は父上にご教示いただこうと思っていたんだが……なぜかそこには母上の姿が!

「ママ!?ヘディンのお世話は?」

「あらあら~メイドさん達に任せてきたわ~。それより、久しぶりの剣だわ~、楽しみね!」

そう言って素振りをする母上の姿勢はとてもきれいだ。

正直シリウス様というのは信じていなかったのだが、こうしてしっかりした太刀筋を見せられると、真実味を帯びてきた気がした。

「じゃあ皆~行くわよ~、まずは剣をまっすぐ降るところから始めましょ~。」

あまり期待していなかった母上の剣術の授業はとても丁寧で、皆なんとか剣を扱えるレベルにまで進化した!

「あらあら、いつも斧を振っているからかしら?みんな筋がいいわ~!」

「シシー様!是非また剣の稽古を付けて下さい!」

「シシー様!俺、なんかかっこいい技欲しい!」

おや?思いのほかリボルとヴァイスの食いつきがいいな。

これはいつか騎士として大成しちゃったりなんかして……いや、それで戦場に送り込まれても困るな……皆には長生きしてほしいし!

「さぁ、気を取り直して!3時限目はマナー教育だ!綺麗に見えるお辞儀の仕方からテーブルマナーまで、しっかりたたき込むぞ!」

「「「はーい!」」」


まずはお辞儀から……だったのだが、これがなかなかに難しい。

「シュバルツ、頭が地面についてるぞ~。ファン、カテーシーはまだ先だ。トム?無理するなよ?ふらふらしてるぞ。ジェイル、それは道化師とかがやる礼だ。」

うーむ、難しい、教えるのが。

そんな中でもリボル、ヴァイス、グルートはすぐにきれいなお辞儀を披露した。

「まぁこれくらいできないとな!」

「カノイ様の側近を目指すなら当然です!」

「……真似しただけ。」

うんうん!ちゃんとできててえらい!

ちょっと待って、側近目指してるの?初めて聞いたんだけど?

もしかして剣を扱えるようになりたい理由って……あー駄目だ駄目だ!

にやけるのが止められない!

落ち着け?ポーカーフェイスだ!

「よ、よし!お辞儀は宿題にしような!詰め込み過ぎても駄目だから今日はこの辺でおしまい!給食食べに行こうぜ!」

「「「おー!はーい!」」」


給食、とは名ばかりでそれぞれの家から持ち寄った食材をメイド達が調理してくれたものを食べるだけだったりする。

でも、皆で食べる、というのが大切なのだ。

「えー俺葉野菜嫌い!ヴァイス食っといて!」

「いやだよ!残さず食べないと強くなれないよ!」

「美味しい!このパン牛乳に合う!」

「エイルー交換して。」

「ジェイル、肉と野菜、交換だ。」

「もっと食べたら強くなれるのかな?」

「ちゃ、ちゃんと食べれば大きくなれるって兄さんが言ってたよ。」

「……うん、うまい。」

にぎやかな食卓だ。

この感じは子供だけの空間でしか得られない。

学校、作ってよかったな~。

「よし!明日も学校するか!」

「やったー!」

「次は何して遊ぼう?」

「遊びじゃないぞ!」

学び舎に、笑顔があふれる。

カノイ・マークガーフ、7歳、いくつかの達成感と充実感を得た秋の出来事である。

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