表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
232/244

第231話:先人の知恵は馬鹿にできない

「昔々、あるところにわがままなお姫様がおりました。」

「カノイおばあちゃん!もう絵本を読んで貰う年でもないよ!」

「マオもレオもリノもアルももう成人したんだから!」

「そうか……そうか。」

「うぐっそんな寂しそうな顔しないでくれよ。」

「おばあちゃん、アルは付き合うぞ。」

「そうか?ありがとな!じゃあ今度はこっちを読むか!『マークガーフ村の日常』!」

「それ字ばっかりの奴だろ!」

「自伝は読み聞かせるものではないのでは?」

「まぁまぁ、おばあちゃんの思い出話も込みで話してやるよ。」

そんなこんなでファンの本は無事出版され、我が家にもやってきた。

ちなみに『マークガーフ村の日常』だが、分厚い本5本分という超大作だ。

彼なりに省くところは省いたっぽい痕跡は残っているが、まだ1巻の途中だ。

読み終わるまでに私の寿命が尽きそうだ……。

まぁ冗談はさておき、ちょうどいい日記がここにあるのだからと最近は皆に私の人生について語って聞かせている。

ご老人の自分語りだ。

見逃してほしい。

「で、どうなったの?」

「ウェアウルフは仲間になっているんだからカノイおばあちゃんが勝ったんだよ!」

「でもルーじいちゃん強そうだぜ?」

「むーどちらが勝つかわかんない。」

「あははは、それが実は戦ってないんだな~。」

「「「「え~!」」」」

「じゃあまず能力の説明からだな。」

そんなこんなで能力についても本に書かれてしまっていたのでネタばらししている。

まぁファンに見せていた側面だけだと瞬間移動ってことになってるんだけどね。

家族にくらい全貌を話しておいてもいいだろうと、この数十年で思い直した。

「おばあちゃんすごい!」

「なにそれ!かっこいい!」

「特殊能力だ!」

「我にもある?」

「う~ん、どうだろうな?遺伝はしてないっぽいが。」

「「「「え~。」」」」

「あはは!まぁおばあちゃんだけ特別、な?」

こんな感じでシェリル達やノア達にも伝えている。

本当は転生賢者だからっぽいのだが、まぁその辺は濁したままでいいだろう。

今ばれたところでどうにかできる年齢でもないが、余計な混乱は産まない方がいい。

ファン……彼は最後に言った。

自分の役割は終わったから安心して死ねると。

そういった意味ならば、私は今、安心して死ねるのかもしれない。

……いや、まだだな!

ひ孫の名前を付けるまでは死ねないな!

よし!まだまだ生きるぞ!

目指せ!60歳!

カノイ・マークガーフ、57歳、決意も新たに長生きっを心に決める夏の出来事である。

感想、レビュー、ブクマ、評価、待ってます!

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ