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第227話:贈り物は大切にしよう

「お、首輪、ボロボロになってきたな。」

年付きの流れを感じるな~。

「そっろそろ首輪なしでも皆名前を憶えられているんじゃないかな?」

「なんだ……新しいものをくれるわけではないのか……。」

なんかルーがものすごく残念そうな顔してる!

「え、そんなに大事なものになってるの?この首輪が?」

「当たり前だろう。長殿から初めて送られたものだぞ?」

なんだろう、拗ねた感じで言われるとニヤニヤしそうになり!

でも、首輪だしな~。

今でこそファッションとして受け入れられているけれどペットとかにつける首輪だぞ?

「村の外の人間にも、この首輪を着けているものはマークガーフの飼い犬として受け入れられている。我々が普通の人間のように生活できる証でもあるのだ。」

「まじか。そんな目印になっているのか。」

確かに野生のウェアウルフと家のウェアウルフを見分ける方法って小綺麗なこと以外は特にないわけで。

遠目からでも首輪がついているかどうかで判断できるっていうのは有用かもしれない。

「……そうだ、この首輪は我々と人類の友好の証なのだ。」

「そっか、いつの間にかそんなに大切なものになっていたのか……よし!新調するか!」

「あぁ。できればあと100年は持つように頼む。」

「難しいこと言うな!まぁやれるだけやってみるか!」


と、言っても突然人間用の首輪を100個弱頼むわけにもいかないので、カトブレパスの皮をデバッグモードで加工することにした。

「あ~能力が便利。」

「ふむ、着け心地もいいな。よく馴染む。」

大量生産した首輪を皆に配っていくと、恭しく膝をついて受け取るやつらが多発した。

え、そんなに?

「そんなに、だ。長殿にとっては大したことのないものでも、我々にとってはどうしようもなく大切なものなんだ。」

「そ、そっか。なんか、もうちょっとおしゃれなものにすればよかったな。」

そういうとくつくつと笑いだすルー。

なんだよ、こちとら気を使っているんだぞ!

「これでいいのだよ。これが、いいのだ。」

「?そうか?まぁならいいか。」

「100年後もまた頼む。」

「そんなに生きられないって!」

カノイ・マークガーフ、56歳、思いがけない部分に友情を感じられていてちょっと困惑した夏の出来事である。

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