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第224話:溝には気を付けよう

「よし、神様探しに行くか。」

「なんて?」

神様探しに行くぞ!


「いや~よく考えるとなんで転生したのか全く分かってない。」

「それは……そうですね。」

「そうなんだよ~今まであんまり深くは考えてこなかったけど、転生者って何らかの理由で選ばれていると思うんだよ。」

「まぁそう思うよな。」

「だから直接聞いてみようかなって。」

「それはあまりにも……なんというか。」

うん、自分でもなんで今?って思うんだけど。

今だからこそちょっとの疑問も解決してみたいと思ってしまったのだ。

「ということで以前神様の話をしてたっていうドラゴンに会いに行こうと思う!」

「「おー。」」

「護衛にリボルとヴァイス!村の管理はルーに任せようと思う!」

「いつも通りだな。」

「いつも通りですね。」

「ということでいつも通りいくぞ!」


というわけでやってきましたドラゴンの住むダンジョン!

「モンスターは予想通り問題ではないな。」

「問題はドラゴンですね。どうやら好戦的なようですし。」

「二人なら大丈夫だと思うけど十分注意してくれよ?ケガしてもヒールするけど。」

魔法ってとっても便利だ。

「お?言ってるそばから開けた場所に出たな?」

「意外と近いですね。」

「まぁ田舎者の近いだから結構遠いと思うけどな!」

「グルルルル……。」

「おぉ!ドラゴンだ!」

「でっかいな~。」

「固そうですね~。剣が通るのかどうか。」

「己ら緊張感無いのぅ。」

「あ!話が通じるタイプだ!こんにちは!」

「こんちわ~。」

「初めまして。僕はヴァイス、こっちがリボルでこの方がカノイ様です。」

「おぉ!あの若人達の話しておった師匠連中か!よくきたのぉ。」

「ドラゴンさんの名前はなんていうんだ?」

「さぁのぉ。あの方にはフレアと呼ばれておるが、人間にはマスタードラゴンと呼ばれておるよ。」

「なるほど?じゃあフレアさんでいいのか?」

「なんとでも呼ぶがよいよ。」

「フレアさん、勝負はしないのか?」

「あれはわしのへそくりを欲しがるもの限定じゃ。おぬしらは違うじゃろう?」

「まぁ、違うな……。」

「では今回は勝負は無しなんですね……。」

「なんでちょっと残念そうなの?」

「わはは!おぬしらももう年じゃろうて!ゆっくりしていくがよい。」


おっと、和やかに談笑してしまっていた。

そろそろ本題に入ろう。

「フレアさん、神様について教えてほしいんだ。」

「なに?あのポンコツについて知りたいのか?」

「ポ、ポンコツ?」

「あの方はのぉ、いつもどこかでボケをかましておる。」

「ボケ?」

「千里眼でのぞけば中々の娯楽だぞ?この前なんぞ石畳の溝でコケておった。」

「溝で?」

「え?あの方呼びなのにそんなに愉快なことになってるの?」

「おう、ものすごく愉快なお方じゃよ。麻雀のルールも知らんのに賭け麻雀を挑んできたこともあったのぅ。」

「それはバカなのでは?」

「その時の戦利品がこれじゃ。」

「パソコンだこれー!」

なんでこの世界にあるんだよ!

「パソコン?」

「あれか、異世界の遺物か。」

「使い方はわからんがのぉ。」

「宝の持ち腐れだぁ!」

「そのポンコツな神様に話を聞きたいんだが。」

「あ~……もう無理そうじゃね。」

「もう無理!?」

「飢えて死にかけとる。」

「まじでポンコツなのかよ!」

「まぁ来世に期待じゃな。」

「何年待てばいいんだ……。」


「まぁいつか会えるじゃろう。その前に死んどるかもしれんがな!」

「いつかか~。」

「冗談になんないんだよな~。多分あと数年で死ぬんだよ俺ら。」

「もう年も年ですしね。」

「なんじゃ、転生者といっても普通の人間なんじゃのぉ。」

「そうなんだよ。めっちゃ強いとかめっちゃ魔力あるとかそういうの一切ないから。」

「その辺もあの方のやらかしかもしれんのぉ。まぁ残りの人生愉快に過ごすがよい。」

「「「は~い。」」」


「結局神様会えなかったな。」

「まぁこれでよかったのかもしれませんよ。」

「なんで転生させたんですか、なんて聞いたらついうっかりって言われるだけだろもう。」

「言いそう。」

はぁ。神様には会えなかったが、なかなか愉快な友人ができたのは収穫だった。

折角もらった残りの人生、愉快に楽しく生きるか!

カノイ・マークガーフ、55歳、神様の実在を確信しつつも思ったより適当に選ばれたのかもしれないと思う秋の出来事である。

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