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第220話:完璧な人間など存在しない

「レオも領地ほしい!」

「マオも!」

「リノは……別にいいかも。」

「アルも同じく。」

見事に2分した意見!

というかレオもマオも本気で領地を欲しがっていたのか?

う~ん、というか、

「アルが継がないとルーナの領地はどうなるんだ?」

「え、知らん。」

え、この子すっごいクール。

「リノはサリバンを継ぐからマークガーフ村に残るぜ!」

「こっちはこっちですっごい良い子!」

まだ9歳ですよ!

もう責任感が芽生えてらっしゃる!

「むぅ!レオもシェリルママの跡を継ぐの!」

「違うもん!マオがチェリルママの跡を継いで領主になるの!」

あ~そうか。

あの子達は双子だったから当たり前のように二人で仕事をしているが、この子達は別々の親を持つ従弟なんだよな。

でも、二人領主でやってもいいと思うんだけどな~。

「え、いいの?」

「領主って二人いていいの?」

「うん?意見を一つに絞れれば何人いてもいいぞ?例えばある国では多数決で領の方針を決めている場合もある。」

一番偉い人は責任が問われる立場ってだけで、責任も分割するなら何人いてもいいからな。

「じゃあ!じゃあね!レオ!マオと一緒に領主様する!」

「マオもレオと一緒にやりたい!」

お、なんやかんやで仲がいいな。

さて、じゃあ後問題なのは……。

「いやだが?」

「そうか……なら別の人に頼むしかないか~。」

「それも嫌だ。」

「え、なんで?」

「領地は……ウル兄さんが継ぐべきだ。」

「ウルが?」

ウルはもう領地を持っていて、今はマークガーフ村で研修中だ。

いつかはマークガーフ村6丁目を収める立場となる。

「ウル兄さんはすごいんだ!何でもできて、かっこいいんだ!だから領地を治めるのもウル兄さんがいい!」

なるほど、アル的にはウルは完璧な兄なんだな。

「じゃあアルはウルを支えられる人になろうな?」

「え?兄さんを?」

「うん、どんなに完ぺきに見える人でも、本当はとっても頑張っているだけで、実はどこかで疲れてきちゃうんだよな。」

「疲れちゃうの?」

「うん、だからウルが疲れた時に、代わりにお仕事を手伝ってあげられるようにお勉強しような?」

「……うん!アル、ウル兄さんを支えられる立派なウェアウルフになる!」

「お!その意気だ!じゃあとりあえず、皆領主になるために勉強しような?」

「「「えー!」」」

「うん!アル頑張る!」

「リノはサリバンだから勉強ないない!」

「家の領民なら読み書きは完璧だし戦闘訓練もあるぞ~。」

「うげ~!」

「あはは!がんばれがんばれ!」

カノイ・マークガーフ、54歳、まだ小さな孫達の夢を叶えるため教えられることを教えた秋の出来事である。

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