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第212話:なぜこのキーボードはうやおを2回押したことになるのか

「うん、終わんないね。」

増えた領地の管理が終わんねぇ!

不正を行っていたというだけはあり、帳簿は適当だし、書類も嘘ばかりだ!

そんなわけで皆で協力して過去数十年分の資料を作り直すこととなった。

これはひどい。

山のように積まれた書類の山が今にも崩れ始めそうだ。

「ヘルプミー!リインとりあえずシュテル君呼んで来い!」

リアン君こうなるのわかってて私達に一任したでしょ!

賢いかよ!

さて、愚痴はこの辺にして、書類に向き直る。

領民が納めていた麦の総数をごまかしていたか~。

別にごまかさなくても豪華な食事やちょっとした贅沢品なら簡単に手に入るだけの取り分はあったはずだ。

なんで不正までして贅を貪るのかね~。

「そういう無欲なところのある領主はお前くらいだと思うぞ?」

「そうですね。どんな人でもお金はあればあるほど良いとしますしね。」

「あったらあったで困ると思うんだけどね~。」

お金なんてあっても盗られないか心配になったり管理にてんやわんやになったりでよろしいことあんまないだろうに。

それより領民と一緒にうまいもの食っている方がよっぽどいい。

「そういう人だから皆ついてくるんですよ。」

「俺らそこまで頭がいいわけでもないが、カノイはわかりやすくいい領主だからな。」

「え、そうかな?そうならいいな~。」

いい領主は反乱されたり革命起こされたりしないからな。

命の危機はよろしくない。

お金のことだってそうだ。

そんなもので命を脅かされたくはない。

「生き汚ねぇ!」

「カノイ様。もったいないところありますよね。」

「えぇ~。」

さっきまで褒めてくれてたじゃん!

それに命の方が大事がそうだろ!

「パパもママも口じゃなくて手を動かして!」

「速くしないと終わんないよ!」

「あ~はいはい。」

なんてこった。

我が子が仕事の鬼になってしまった。

まぁこればっかりは仕方がないね。

大量にある仕事が悪いよ仕事が。

まったく、件の孫達は遊んでいるし、我が子達は皆仕事にかかり切り。

一体誰が私と遊んでくれるっていうんだ!?

……。

さぁて、ふざけるのもやめて、本気で仕事するか~。

老い先短い人生だ。

せめて孫達の代で位楽に仕事できるようにしておこう。

それにしても不正もあるが誤字脱字が多い!

ちゃんと見直ししないとな~なんて、自分の資料も見直してみる。

……なんかうが多めにタイピングされているな。

ちゃ、ちゃんと見直そう!

カノイ・マークガーフ、52歳、タイプライターを導入したことで入力速度が異次元の速さになった代わりにタイプミスが多くなった秋の出来事である。

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