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第205話:年越しそばは細く長い

「久しぶりにやってみると案外難しいな。」

「お兄ちゃん何やってるの~?」

「うん?あぁカップ麺を少々。」

「カップ麺?」

「にーちゃが作るものなら美味しいものだね!」

「うん、美味しい予定だ。」

まぁ予定は未定だがな!

カップ麺とは、カップに入った揚げ麺である。

お出汁の粉末を入れてお湯をかけるとあら不思議。

カッチカチの麺が元のしこしこの麺に戻るって寸法よ。

これがどうして保存食として優秀だ。

ということで備蓄の一つとして仲間入りさせたいのだが……。

「大事なのは油の温度と時間なんだよな。」

「揚げ物?」

「唐揚げ?」

「揚げ物ではあるが、唐揚げではないかな。」

う~ん、なかなかどうして、もとに戻らない。

元のしこしこ麺に戻らないんだよな~。

「うん?そういえば茹でるんじゃなくて蒸すんだっけか。」

どうしようこの湯でまくって揚げまくった麵。

味はついているからスナックにでもするか?

「にーちゃ!これ美味しい!」

「このままバリバリしながら食べるの美味しいよ!」

「お?そうかそうか。そういえばかた焼きそばがこの作り方だったな。」

作るか~あんかけかた焼きそば。

そうと決まれば追加で野菜と肉を用意する。

これらを炒めて調味料と合わせて水をかける。

トロっとしてきたらあんかけの完成だ。

そしてそのあんかけを先ほど揚げた麵にかける。

「美味しい!これ美味しいよ!お兄ちゃん!」

「にーちゃ!天才!」

「わはは!美味しいよね。これ。」

前世の人間の英知をばら撒くの楽しいな。

転生賢者達もこんな気持ちだったのかもしれない。

「お兄ちゃん!これ保存食なんでしょ?」

「いつでもおいしいもの食べられるね!」

「そうだな~……。」

そういえば転生したての頃は雪がひどくてまともな食べ物がなかったな。

干し肉や干した野菜、果物がごちそうだった。

今でこそ外に出て狩りや冬の野菜で新鮮なものを取り入れているが、私が死んだ後に脳鵜力が発動していなかったら、またあの頃に戻るかもしれない。

そうなった時のためにも保存食は充実させておきたいな。

「とりあえず完成させるか。カップ麺。」

「カップめんもおいしい?」

「美味しいよ~。お湯をかけるとラーメンになるんだ。」

「へ~便利!」

よし!子孫のためにも頑張るか!

そんなこんなで色々研究した結果、うどんとラーメン、そばのカップ麺を作成できた。

日本人ならこれで十分。

もちろん15商会にも技術を売り込んで世界にカップ麺を普及することに成功した。

まだ見ぬ子孫達よ、ご先祖様はやったぞ!

カノイ・マークガーフ、50歳、久しぶりに温かいお汁のそばを食べながら年を越した冬の出来事である。

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