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第198話:お誕生日は幾つになってもうれしいもの

「そういや今年の生誕祭はどうするんだ?」

「どうするって……どう?」

「それはもう国中を上げて催事を行うべきでしょう!」

「ヴァイス、お前はなんで時々壊れるんだ?」

仮にもぽっとでの国王が自分の誕生日を国を挙げて祝いだしたら暴挙だろ。

「いえ、アンケートをとった結果思いのほか国王カノイ様に対する好感度は高いですよ。」

「え、いつの間に取ったの?やめてよ怖い。」

死すべし国王とか書かれてたらどうするんだよ。

「そもそもの長殿の印象が魔物狩りで固定されているだろうしな。好感度が高いのも頷けよう。」

「なるほどな。そういや毎年全国ツアーだったな。」

「ツアーかな?ツアーかな……。」

そんな楽しいものでもないような、やってる時は楽しかったような。

「まぁとにかく!望まれているのならやりましょう!」

「なんでそんなにノリノリなんだよヴァイス……。」

こうして国民全てを巻き込んだ生誕祭が開かれることとなるのだった。


「で?結局やることはいつも通りのシチューパーティーなの?」

「予算に限りがあるのと、単純にマークガーフ村に肉が有り余ってるからな。」

「予算で格安で買い上げて国民全体にいきわたるように計らいました。」

「空腹で飢える民がいなくなると貴族連中も喜んでおったぞ。」

「いいのかな~まぁいいのか。」

マークガーフ村だけ潤うシステムかと思ったが、思いの外、他の地域にも良い影響を与えているようだ。

「貧困にあえぐ民も、餓死する移民もいなくなる。なんやかんやで丸く収まっている、のかな?」

「さて、食べ終わったところで鬼ごっこどうする?」

「え、そっちもやるのか?」

「流石に国民は巻き込めませんよ。それぞれの仕事もありますし。」

「我はどちらでもよいぞ。ここには子もおるしな。」

「あ、そっか!リアン君とシオン君とシアン君を誘うか!」

「どうせならチビ共も呼ぶか。肉の搬送で王都まで来ているだろうし。」

「ですね、リアン君もレアに会いたいでしょうし。」

「城を走り回れる機会など滅多にないからな。子らも喜ぶだろう。」

「おっし!やるか!マークガーフ村式鬼ごっこ!」

その後、マークガーフ家にリアン君、シオン君、シアン君を巻き込んだ大規模王城鬼ごっこが開催された。

ついでなので使用人たちも誘ったら隠し通路や死角からの攻撃にてんやわんやの大騒ぎになったりなんかしたが、まぁ、それは別のお話だ。

カノイ・マークガーフ、49歳、体力差の問題で最終的にマークガーフ家対マークガーフ家の構図になった春の出来事である。

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