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第197話:努力の成果を死後認められることもある

「学校を作りたいと思う。」

「どこにだ?」

「すべての村に。」

「大事業ですね。」

「多分予算的には問題ないと思う。」

「大分搾り取れたからな。」

「その言い方やめて?中抜きを!規制したの!」

そんなわけで不正を規制して余った予算で学校を建てる計画を立てたいと思う。

「とりあえず教員の問題だが、貴族達の中で兄弟や親戚の人々に任せられないか話し合ってもらっている。」

「話が早いな。」

「そこそこの給料を出す代わりに第1期生を育成していただき、その後育った生徒達の中から先生を選出してもらう形でどうだろう?」

「効率はいいんじゃないでしょうか。」

「あとは、戦闘スキルなんかも身に着けられるように冒険者にも声をかけようかと。」

「引退後にはやることもないだろう。下の者に教えを説いているものなら天職だろうな。」

「よし!国民育成計画!開始する!」


そうしてそれぞれの村や町に学校ができた。

その結果、職業の自由やぼったくりの消滅など中々にいい結果が出始めてきた。

「王様!ありがとうございます!」

「王様!過労死しないでください!」

「王様!帳簿を見直していたら計算が合わないのですがこれは不正では!?」

「不正は駄目だわ。ちょっと待って資料見直すわ。」

そんなこんなで国民全体の意識改革が行われ、不正を行っていた領地で暴動が起きたり、予算の組み方について領主が詰められたりとちょっとごたごたも起きていたりする、

まぁこれも必要な痛みってやつだから……。


「全国、学校建築計画!達成!」

「おめでとうございます!」

「よくやり切ったな!」

「うむ、素晴らしい戦果だ。」

「やってやったわ。あと不正が暴かれてちょっと仕事増えたわ。」

「領民側に計算できたり文字が読めたりするものがいるだけでこんなにも変わるものなんですね。」

「反乱を起こしたり革命軍が出てきたり、国全体は大混乱中だしな。」

「その点国自体への不平不満は少ないな。堅実に運営してきた結果か。」

ヴェークさん、あなたの献身は無駄ではなかったよ。

国民のほとんどが学を持った結果、ヴェークさんや過去の国王たちへの敬意はますます深まっていった。

その結果、国中の人々の忠誠心が高くなったのだ。

真面目にやってきた成果が、今この瞬間に出たのである。

ヴェークさん、ありがとう。

あなたのおかげでこの国はより良い方へと動いているよ。

カノイ・マークガーフ、48歳、先人達の残したものが結果を結んでいく様を静かに見守った冬の出来事である。

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