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第195話:信頼は繋がりの強さから出てくるもの

「やることが……やることが多い!」

「仕事分割しろよなんで予算の管理まで王様がやってんだよ。」

「知りませんでした。王様の仕事って城の兵士の登用まで含まれているんですね……。」

「馬鹿か。そんなもの兵士長にでもやらせておけ。」

この国の王様の業務は多い。

というか抱え込みすぎている!

なんで専門家に任せないんだ!?

と思ったらどうやら昔部下たちから反乱にあって革命を起こされた経験があるらしい。

そこから部下を持たずに国を担う作業すべてを王様が一任することになったようだ。

「逆に考えよう。業務を外注……委託しよう。」

「その考えに至るまでに何代かかったんだ……。」

「信用できる相手がいなかったんでしょうね。」

「うむ、ゆえに長殿を執拗に登用しようとしておったのだな。」

そう考えるとちょっと悲しいな。

ヴェークさんは信用できそうな兄弟や従弟が城の外にいたから一人で頑張ってしまったのか。

ちょっと申し訳ないな……まぁ私も自分の村が大切だから事情を知っていても城に上がりはしなかっただろうが。

「まぁでもよっぽどのことがない限りこういうのは部下に任せた方がいいだろう。」

「まず信用できる仲間を見つけるところからだな。」

「人を見る目はカノイ様には備わっていると思います。一応今代くらいは部下を作ってもいいのではないでしょうか?」

「管理者を繕うのも手だ。違反をしたものを裁くもの一人を信頼できればよくなる。」

「とりあえず兄弟に任せるのが一番だろう。シオンとシアンに予算管理と人材登用、違反者講習のいずれかを勉強してもらおう。今はリボルに人材登用、予算管理をヴァイス、違反者講習をルーに任せる。いいか?」

「OKだ。」

「お任せください。」

「講習で許す気か。寛大だな。」

「人材不足なの!とりあえずはこの構成で回してみて上手くいかなさそうなら役職を増やすぞ!」

こうして、王国に大臣制が取り入れられることとなった。

この後、なんとなく回転率がよくなったことで書類仕事がはかどり、各地へ訪問する時間が採れるようになったのは別のお話。

というか今まではそういう時間がなくて放置されていたらしいの、怖すぎるだろ。

予算の中抜きとか起きてたのはそういうとこだぞ!?

とりあえず、各地見回りの結果、予算にも余裕ができてきたりもしたのもまた別のお話だ。

ヴェークさんの苦労は計り知れない……もうちょっと手伝ってやればよかったな。

カノイ・マークガーフ、48歳、改めて信頼に足る部下の必要性を心の底から感じた夏の出来事である。

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