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第193話:偉い人の子供が偉いわけではない

さて、今日はちょっと大切な日だ。

ヴェークさんとサクラさんの子、リアンとシオンとシアンに会いに行く日だ。

シオンとシアンはヴェークさんが旅行に来た時、サクラさんのお腹の中にいた子達だ。

そう、双子である。

そしてこの双子、どうやら人見知りらしい。

以前から会いたいとは思っていたのだが、まさかのサクラさんストップがかかった。

「今の状態でカノイ様にお会いさせるわけには!いきません!」

とのこと。

まぁそんなこと言われても可愛いはとこには会いたい!

ということでこっそり会いに来たのが今回だ。

「リアン君いるか~?」

「あ!カノイ従兄弟伯父様!」

元気にこちらに駆け寄ってくる角の生えた大柄な人。

これがあのリアン君だ!嘘だろ!?

「リアン君立派になったね~!」

「おかげ様で!ところであの、レアは?」

「孫たちはお留守番中だよ。残念だったな。」

「そ、そうですか……。また会いたかったな。」

「レアも会いたがっていたから好きな時に会いに行ってやってくれ~。」

「はい!」

はきはきとした喋りと快活な性格、あの頃のリアン君は見る影もないほどの変わりっぷりだ!

さて、そして、件のシオン君とシアン君は?

「……。」

「寄るな!散れ者!」

「ちれもの!?王様なのに!?」

無職認定!?

う~む、これは確かにサクラさんが会わせたくなかったのもわかった気がする。

普通に失礼な子だ。

かたや、無口を通り越して無表情で佇んでいる。

これは……状況を理解していない感じかな?

「シオン君にシアン君~。従兄弟伯父さんだぞ~。」

「……。」

「従兄弟伯父だと!?嘘をつくな散れ者が!」

かたやにこっと笑い、かたや罵倒してきた。

どっちだ。どっちがシオンでどっちがシアンだ。

とりあえず、

「口が悪い子はこうだ!」

「ぐあー!」

思いっきり頭をわしづかんでぐりぐりと撫でまわす。

抵抗されるが知ったこっちゃない!

「おりゃ!ぐりぐりー!」

「や、やめぬか!無礼者!」

「お?まだそんなこと言えるのか?ならこうだ!」

「やー高いー!?」

わはは!私の高い高いは本当に高いと評判だぞ!

「カ、カノイ従兄弟伯父様!流石にその辺にしておいてあげてください。」

「お~、僕もたかいたか~い。」

「お?いいぞ?たかいたか~い!」

「わ~。」

「カノイ従兄弟伯父様!?」

そうしてしばらくは高い高いをして遊んでいた。


「カノイ従兄弟伯父様。こちらがシオン、こちらがシアンです。」

「シ、シオンだ……従兄弟伯父様。」

「シアンだよ~。カノイおじちゃん。」

「挨拶できてえらいな~。よしよ~し。」

確かシオン君とシアン君はまだ3歳のはずだ。

まだ分別の付く年齢ではない。

ということで先ほどのことはなかったこととする!

無礼者とか散れ者とかね?

初対面だったから仕方がないとする!

ということで王家のちびっ子達との対談は成功!成功?したものとする!

カノイ・マークガーフ、47歳、初めて反抗的な子供に出会ってテンションが上がりすぎた冬の出来事である。

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