第183話:観光スポットは期間限定のものが強い
夏がきたー!
しかし!我々のオアシス!プールは子供達に占有されている!
ということで氷魔法と妖精さんパワーで氷の城を建ててみた。
「建ててみた、じゃないんだよなぁ。」
「すごいですねこれ!ほぼ建築物じゃないですか!」
「いやテンションたけーなヴァイス。」
「いや~ウェアウルフの家を建てた経験が生きたよね。グルートも手先が器用でよかったよかった。」
「……柱の1本1本にこだわりました。」
「こだわったのはいいが、溶けたときに悲惨だぞこれ。」
「そのためにここに建てたんだよ。そう!この用水路沿いにな!」
ここなら溶けても水が無駄にならない!
いい感じに冷気が水路に流れ込んで田畑が煮え立つのも防げるってことよ!
「まぁそこまで考えてやってんならいいけどさ。」
「それより中はどうなっているんです!?何階建て!?」
「なんと3階建てだ!歩き回る時は滑りやすいから気を付けろよ!」
そうして興味津々の村民も含めて氷の城を探索していく。
「これはすごいですね!涼しいし美しい!神秘的です!」
「せやろ?それはそうとなんで四つん這いなの?」
「いや、転けそうになってしまって……。」
あ~四足歩行の方が安定はするよね。
それはそれとして面白いな。
「この棚はなんだ?かなりでかいな。」
「あ、それベッドな。寝っ転がれるように広めに作ってあるんだよ。」
「いや、それはいいが上段誰も入れないだろ。せめて階段つけろよ。」
「それもそうだな。とりあえず一段目だけ運用するか。」
そんな話をしながらもリボルは棚ことベッドの一段目に寝転んでみている。
「あ~これは涼しいわ。」
「だろ~?ここかなりお気に入りなんだよ。」
氷のベッドはひんやりしていて暑い夏場にはとても気持ちがいい。
ただし、しばらく寝ていると……
「おい、体温で氷が溶けてきたんだが?」
「うん、実は長時間寝てるとびちゃびちゃになる。あと冷気と水で服がくっつく。」
「うわっ!?ほんとだ!やべ!」
慌てて飛び起きようとするリボル。
しかし服がくっついて剥がれない!
「うわ~どうするよこれ?」
「しゃあないから溶かしてやるよ。ファイア!」
ちょっとずつ溶かしていけば氷から剥がれた服が乾いていく。
「あせった~。」
「そろそろ体も冷えてきたな。ヴァイス回収して一旦外に出るか。」
そうして氷の城か出れば、カンカン照りの太陽の熱が体を暖めてくれる。
「あったけ~。」
「流石にずっといるには寒かったですね。」
「さて!暑くなる前に家に帰るか!」
こうして氷の城は涼しい観光スポットとして人気を博した。
次はなにを作ろうかな~。
カノイ・マークガーフ、45歳、魔法を最大限いかしてのりきった夏の出来事である。
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