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第177話:旅行の際はタオルや救急箱など緊急事態にも備えよう

「リアン!鬼ごっこしよ!」

「……?」

「鬼ごっこはね、鬼の人が逃げる人にタッチする遊びだよ!鬼ごっこしよ!」

「……。」

レアは引き続きリアン君のお相手をしている。

リアン君も特に嫌がっているわけでもなく、どちらかというと楽しそうな雰囲気だ。

「リアン逃げてね!レアが鬼だよ!」

「レア大丈夫?マナとウル捕まえられる?」

「うーん無理じゃね?」

「そうだぞ!レアには負けん!」

「むー、じゃあウルが鬼!」

「よかろう。みんな逃げるがいいわ!」

「「「わー!」」」

「……!」

なんやかんやで皆仲良く遊んでくれている。

こういう時に社交性があることはありがたい。

いや、リアンの社交性がないというわけでは……いや、無いな。

喋れないって結構絶望的にコミュ力無いな。

「……ヴェークさん、このままレアに全部任せっぱなしなのはどうなんです?」

「う、う~ん、そうなんだけど、あの子があんなに楽しそうにしているところ、初めて見るんだよ。」

まじかよ。どれだけ抑圧された状態なんだよ。

そういわれてしまえばあの子達の邪魔をするわけにもいかなくなった。

ここは成り行きに任せるか……。

「レア~!こっちこっち!」

「は~い!……あっ!」

「レア!?」

レアがこけた!?

「……!」

誰よりも先に行動したのは意外なことにリアン君だった。

「だ、だいじょうぶ?」

「え。」

「え!?」

「ん?リアン?」

「……!」

リアン君が喋った!?

「リアン喋れたの?」

「……う、うん。」

「喋るの苦手なんだね!」

「……うん。」

「じゃあいっぱい練習しないと!」

「……え?」

「いっぱいお喋りしていっぱい話せるようになろ!」

「う、うん!」

え、ええ子やっ!

うちの子はすごいええ子やで!

「レア大丈夫!?」

「レア!気をつけろよ!」

「うむーカノイばあばみたいにはなるなよ。」

うん?なんか言われているな?

そんなにドジではないぞ!

たまにこけるくらいで……え、ドジなのかな?

鬼ごっこはいったん終了し、おままごとを始めた子供達。

リアン君も段々話に参加できるようになってきていい感じの時間が続いていった。

そうして数日の月日が流れて……。


お別れの時がやってきた。

流石に一月も国の長が不在は無理だからな。

「リアン……。」

「レア……。」

「またね!今度会う時にはもっともっとお話ししようね!」

「う、うん!約束するよ。いっぱい練習してお話し上手になるね。」

うんうん、いい感じだ。

二人ともすっかり仲良しになってまた会う約束までしている。

「またねリアン!」

「また遊ぼうね!」

「約束だぞ!」

「うむ!またな!」

「うん!またね!」

「青春だな~。私もこんな友達が欲しかった。」

「悲しいこと言うなよ。ヴェークさんと私だって一応友達だろ?」

「そうなの!?そうだね!ありがとうカノイ君!」

こうして王家ご一行は去っていった。

リアン君もコミュニケーションに乗り気になったみたいでよかったよかった。

その後、ヴェークさんからの手紙でリアン君が誰にでも話しかけるようになってしまったと聞いた。

うーん、塩梅。

カノイ・マークガーフ、43歳、幼い友情で心が温まった冬の出来事である。

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