第176話:宿泊先には何名で行くのか、アレルギーなどがあるかをしっかり伝えよう
「ノア~レア~おいで~。」
「「は~い!」」
はいかわいい!
孫というだけではない子供特有の可愛さと素直さ!
お世話はシェリルとチェリルとカロンとマロンがしっかりとしていたので遊ぶくらいしか接点はないが、こうして愛らしくお返事をしてついてきてくれるくらいには懐いてくれている。
「マナ~ウル~おいで~。」
「やー!」
「むー。」
おおっと?こっちはちょっと反抗的だな?
かわいいかよ。
う~むどちらも素晴らしくかわいい。
こんなにかわいいと会わせたくないな。
「うわ~かわいいね~!この子たちがカノイ君のお孫さん?」
「ヴェークさん!勝手に入ってきちゃ駄目ですよ!まだマナとウルの準備できてませんから!」
そう!今回はヴェークさんが視察という名の旅行に来ているのだ~!
え?なんでそんなめんどくさいことをOKしたかって?
そりゃあ国一番の警護がつくだとか援助金が出るだとかこまごましたいい要素はあるが、一番は、
「お~これが次期国王のリアン君か~。かわいい~。」
「……。」
警戒したような目でこちらを覗き込んでくる5歳の少年が一人。
ちなみにサクラさんは現在妊娠中らしく、お留守番しているらしい。
さて、とりあえず、挨拶代わりに、
「遠いところをよく来たな~従兄弟伯父ちゃんだぞ~!よしよ~し!」
「……!」
ビクッと反応するリアン君!構わず撫でる私!
逃げる隙を与えず頭をわしづかむのがポイントだ。
動物は強者には従順だと聞く。
いやだからどうという話でもないんだが。
「……。」
それにしてもめちゃくちゃ無口だ。
あまりに無口なので見かねたレアが覗き込むように話しかけ始めた。
「リアン君?」
「……。」
「レアはレアっていうの!あっちで一緒に遊ぶ?」
「……。」
「じゃああっちで遊ぼ!皆いるの!」
「……。」
この間リアン君は一言も話していない。
まぁコクコクと頷いているので嫌がっているわけではない。
「……リアン君大丈夫?」
「え?うん。う~ん?多分?」
「多分じゃダメでしょ~一国の王様よ?」
「なんというか、昔の自分を見ているような感じなんだよね。多分成長すれば自然と話もできるようになってくる、と思う。」
「と思うでもダメでしょ~本当に大丈夫か?」
「う、う~ん、正直わかんないけれど、あの子はレアちゃん?に話しかけられるまで誰とも喋ったりしたことがなかったんだ。」
「嘘だろ!?その方が難易度高くない!?」
「本当だよ。だから正直、一緒に遊びに行っているのには驚いているくらいさ。」
「そりゃあ驚きだよ。この数日で喋れるようになるといいけど……。」
「うん!期待してるよカノイ君!」
「こっちに期待しないで~問題は自分達で解決して~。」
さて、秋から冬にかけてのお泊り会。一体どうなるのでしょうか!?
カノイ・マークガーフ、43歳、雪がちらつき始めてもういっそのこと国王に雪かきさせるかと思い始める秋の出来事である。
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