第172話:お祝い事は盛大になればなるほど楽しい
「じゃじゃーん!結婚しま~す!」
「マジで!?」
「「「知ってた。」」」
「え、嘘?また私だけ?」
クルスとジョルジュとナナリーが結婚したー!
「王都でもね~お祝いはしたんだけど、式はやっぱりこっちで挙げたいな~って思って!」
「え~いい子~。」
「クルスはいい子ね~!」
「いい子いい子!」
クルスはヘディンとクーから頭を撫でられて尻尾をブンブン振っている。
反抗期の時からずいぶん成長したものだ。
「あ、あの、カノイ様?」
「何故僕達の頭を?」
「え?そりゃあいい子は撫でるだろ?いい子いい子。」
「「そういえばそうでした!」」
ジョルジュとナナリーが顔を見合わせて苦笑いを浮かべる。
いい子は撫でないとな!
「それでね!お祭りと言えばカノイ叔父さんだから!」
「え、そうなの?」
「どちらかと言うとリボルパパ?」
「でも食材の用意してるのも料理の式とってるのもカノイママだよ?」
「確かに!でもリボルパパがお鍋運んでるぜ?」
「それで言うと結婚式と言えばヴァイスママでは?」
「う~む、悩みどころ。」
「とりあえず村のイベントのことはカノイ叔父さんに相談すればいいって皆言ってたから!」
「え、私イベント担当なの?」
「まぁ。」
「まぁまぁ。」
「確かに。」
「ですね。」
「うむ。」
「え~。」
「だからね!お願い!結婚式させて!」
「そんなのもう当たり前だろ~?」
「本当に!」
「うん!盛大に祝おうな!」
「わーい!」
「「ありがとうございます!」」
「いやいや本当に当たり前だよ!かわいいうちの甥っ子だからな!」
「そうしてクルスとジョルジュとナナリーの結婚式は行われたのであった。」
「にーちゃ!まだ結婚式中だよ!」
「ごめんごめん。よーし盛大に祝うぞお前達ー!」
「「「うおおおぉぉぉ!!!」」」
「お兄ちゃん、もう様になってるね~。」
「そ~ね~!」
「まぁ村長だしな。」
「自慢の村長です。」
「うむ、流石だ。」
そんなこんなで村中の祝福を受けてクルスとジョルジュとナナリーは結婚した。
後で聞いた話だが、クルスはジョルジュとナナリーを連れて行った時点で口説き落とす気満々だったらしい。
エードラムが言っていたのはそういうことかー!
やっぱりお見合いは大成功だったようだ。
おせっかい叔父ちゃんとしてはうれしい限りだ。
カノイ・マークガーフ、42歳、お祝いごとに大喜びで参加した村人たち全員で盛大にもみくちゃにした秋の出来事である。
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