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第163話:可愛い子には旅をさせよって要は皆旅に出るのでは?

「え?旅に出る?」

そう言いだしたのはフェリスとエリンとデニスだ。

冒険者の子供達は分かるが何故にフェリスまで?

「俺達戦士と魔導士の適正はあるけど、僧侶の適正が一切ないんだ!」

「なので俺達と仲のいい人で神職の適性がある人を誘ったんです。」

「あぁ、なるほど。」

フェリスはシュバルツの子だったはずだ。

それなら神職の適性があるのも納得だ。

「でも、フェリス、エリンもデニスもいいのか?冒険者は命がけの職だぞ?」

「はい!命がけなのはわかっています!けど、それ以上にワクワクするんです!強敵との邂逅、未知への挑戦!」

「あぁ……。」

そう言えばこの子戦闘狂だったな、なんて思い出す。

「俺達でいろんなダンジョンを攻略して世界の謎を解明してやるんだ!」

「冒険者の仕事は治安維持の意味もある。この村だけじゃなくて世界中を守れるようになりたいんだ。」

「本当に神様がいるのかとかも調べてみたいですね!」

やる気に満ち溢れた彼らを止めることは難しいだろう。

「親は納得済みか?」

特にフロージは家族好きだから反対派じゃないだろうか?

「凄く反対されました。最終的には泣かれもしました。けど、定期的には必ず帰ってくるという約束で納得してもらいました。」

あ、定期的に帰ってくるところまでは粘ったのか。

まぁ分かる。

「小さなころからの夢だったんです。広い世界を見て回ることが!」

小さなころからの夢か……そうだったとは、気が付いてやれなかったな。

「そうか……分かった。3人共、気を付けていってくるんだぞ?」

「「「はい!」」」

「それはそれとして、外の世界の魔物って言ってもたいしたことはないから一般冒険者レベルのクエストなら問題無いだろう!」

「「「え。」」」

「恐ろしいのは人間だったり想定外のトラブルだから気を付けて生活するんだぞ?」

「「「は、はーい。」」」

「よし!じゃあ出かける前に皆に挨拶だ!挨拶回りいくぞ!」

「「「はーい!」」」


「うぅ!お兄ちゃん酷い!自分の子の時は猛反対するくせに!」

「いやいやルーナが旅に出るときは最終的に認めたぞ?リインの結婚の時も隣町に引っ越すと思ってたし。」

「そっか……でもやっぱりやだー!フェリスと離れたくないよー!」

「よしよし、お別れって言ってもしばらくって話だっただろ?またすぐに元気な顔を見せてくれるさ。」

「そうですよフロージ様、僕も寂しいですけれど、フロージ様もトムもソルテもいます。皆で無事を祈りましょう?」

「うぅ……うん……。」

シュバルツの説得によりやっとのことでフロージは納得してくれたみたいだ。

旅立っていったフェリス御一行がどんな冒険をするのか、それはまた別のお話。

カノイ・マークガーフ、40歳、旅立つ子を見送る寂しさを知った夏の出来事である。

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