第160話:親孝行は個人の自由
「うん?シェリル、チェリル、お腹なんか大きくない?」
太ったか?最近美味しいもの多いからな~。
「違うよ~!妊娠してるからだよ!」
「そうだよ~!冬には産まれるんだよ!」
「な、何だってー!?」
何時の間に!?
「結婚式の後すぐに木の実作ったもん!」
「カノイママ知らなかったの~?リインもルーナも妊娠中だよ?」
「マジで!?」
知らなかったよ!?
「いや、そこは気がつこうぜ。」
「流石に察しましょうよ。」
「ぐぬぬ……。」
言われてみれば確かに察するべき事態だった……。
皆も結婚してすぐに子供を作っていたじゃないか。
「そうか~もう孫が出来るのか~。」
「もうって言うけどカノイママ来年40だよ?」
「長生きすればひ孫もみられるかもね!」
ひ孫か~その時が来るのが楽しみだな~!
「ひ孫くらいになればカノイの名をついで貰うのもいいかもしれない!」
「早いよカノイママ!」
「まだ孫の話だよ!」
おっと、そうだった。
まずは孫の名前を考えなければ!
「また皆で考えるか~。」
「毎回大騒ぎですし、事前に決めておくのもいいかもしれませんね。」
「よし!第一子!ノア!第二子!レア!第三子!マナ!第四子!ウル!」
「今回は2文字縛りですか?」
「いや、いい感じの名前を考えてたら2文字になっちゃった。」
「五人目からは3文字4文字になるかもな。」
「覚えやすくていい意味のある言葉がいいな~。」
かくいうこの名前達にもいい意味があったはずだ。
もう大分あいまいな知識になりつつあるが。
そう言えば前世のことを思い出す機会が少しだけ増えてきた気がする。
その分忘れたことも多いがな!
「皆元気に良い子に育ってほしいな~。家の子達みたいに。」
「好き勝手暴れる奴でもいいけどな。」
「知識欲の強い子も来てくれるといいですね。」
なんやかんやで新しい子供の誕生は楽しみだ。
早く会いたいな~お孫様達。
「安産祈願にウェアウルフ達にお守りでも作ってもらいに行くか~。」
「そういえばそんなものありましたね。」
「いいんじゃね?実際チビ達皆元気に生まれ育ってくれてるしな。」
そうなんだよな~!皆元気でよい子に育ってくれた!
そのお陰で孫の顔まで見せてくれるというのだから親孝行なものである。
楽しみだな~!
カノイ・マークガーフ、39歳、しばらくすると子育てグッズで溢れかえる秋の出来事である。
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