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第156話:結婚式は人生に一度が望ましい

「うぅ……うぅぅぅ!」

「泣くな泣くな。」

「カノイ様、一応お祝いの席ですから泣き止んでください。」

「うむ、あまり心配をかけるな。」

「だってさぁ、いきなりさぁ!」


「「カノイママー!」」

「うん?どうした~。チェリル、シェリル。」

「チェリルは、」

「シェリルは、」

「「明日結婚しま~す!」」

「…………ふぁ!?」


「うぅ……明日って……明日って今日……。」

「本人達がしっかり準備してたからな。」

「気が付いてなかったのはカノイ様だけでしたね。」

「うそぉ!?」

マジで!?

「カノイママー!」

「見て見て!カノイママが作っといてくれたウェディングドレス~!」

「うん、作っといたぁ。皆の分作っといたけどぉ!」

こんなに早くお目見えする日が来るとは……!

「カノイ様~!」

「見て見て!カノイ様が作ってくれたウェディングドレス!」

「うん、カロンとマロンの分も作ったぁ。」

「よくよく考えると凄いですね。」

「一人で全員作ってるんだもんな。」

チェリルとシェリルが告白されたって言った日から全員分作っておきました。

今は目下シュテル君の分を作成中だ。

今回は白とクリーム色をメインにスーツに大きなリボンをあしらったウェディングドレスだ。

うん、可愛い。

可愛いなぁ。

「幸せになれよぉ。チェリル、シェリル……!」

「うん!チェリル、カロンと幸せになる!」

「シェリルもマロンと幸せになります!」

「カロンもね!チェリルを幸せにするよ!」

「マロンは家族全員幸せにするの!」

「マロンずるい!じゃあカロンも!」

「シェリルもー!」

「チェリルもみんな幸せにする~!」

「本当にいい子に育って……!」

ぶわっと涙があふれる。

思えばここまで長かった……子育て経験もない大人2回目の私がまさかこんなに良い子達を育て上げることができるとは……!

「元気に生まれてきてくれて……元気に育ってくれてありがとう……!」

「カノイママ毎年それ言ってる~。」

「嬉しいからいいけどね~。」

さて、結婚式ということは、全員集合である!

「シェリル!チェリル!カロン!マロン!おめでとう!」

「みんな幸せになってね!」

「まさか孫の結婚式に参加できるとはね。」

「ひ孫を見れる日も近いわね~。」

「シェリル、家の子を宜しくね?」

「チェリルも、猫かぶりな子だけど宜しくね?」

「シュバルツ、それは多いよ?」

「そうでしょうか?今回は絞ったほうなのですが……。」

「まさかあの小っちゃい子達が結婚とわね~。おめでとう!」

「おめでとう。」

「おめでとさん!カノイの息子が結婚とは……俺達も年を取ったな~。」

「おめでとう!立派になって!私達も嬉しいわ!」

「おめでとう!王都でも見ないほど華やかな式にドレスだね。」

「シェリルとチェリルに先越された!」

「我も結婚式とやらに興味が出てきたぞ。」

「四人とも綺麗……。」

「マークガーフ家もにぎやかになりますね!」

「もともといっぱい人がいるからにぎやかだけどね!」

「もっとにぎやかになるよ!」

「四人とも幸せになれよ!」

「「お坊ちゃん方、お綺麗です!」

「幸せそうでいいな~。」

「我々もいつかは!」

「ライスシャワーはまかせろ!」

「俺達が担当しますから任せてくれ。」

「うむ!任されておりまする!」

「「「「えへへ~皆ありがとう!」」」」


「ふっふっふっ、、これでカロンは名実ともにカノイ様の息子なのです!」

「チェリルとシェリルもゲットして一石二鳥なんです!」

「カロンもマロンもカノイママ好きだよね~。」

「それじゃあシェリルとチェリルがおまけみたいじゃん!」

「あ!違うから!愛してるのはシェリルだから!」

「マロンもチェリルしか愛してないから!」

「そ、それはそれで恥ずかしいよ!」

「愛の告白、いつ聞いても照れちゃう!」

「うん?どうかしたのか~?」

「なんでもないですお義母様!」

「そうそう!何でもないよ!お義母さん!」

「お、おう、そうなるのか。まぁそうか。」

改めて、母と呼ばれると違和感がすごい私なのであった。

カノイ・マークガーフ、38歳、人生で初めて息子の結婚式に参加することになった秋の出来事である。

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