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第152話:熟した果実は甘い

「これ、久しぶりに食べるな~。」

怪しげな木々の生い茂る果樹園を視察しつつ、青い木の実を食べながら思い出に浸る。

木のじいはもう亡くなっているが、果樹園は木のじいの家族と数名の従業員によって今日も回っている。

「久しぶりに作るか~七色アイス。」

なんとなく思い出を共有したくなって懐かしの味を再現しようかと考える。

あの頃は砂糖をあまり仕入れられなかったから牛乳と木の実だけでアイスを作っていた。

今だとハチミツや砂糖をふんだんに使うが、思い出の味なので昔のまま、牛乳と木の実だけを用意してアイス作りに臨む。

「さて、デバッグモード!」

この能力も便利に使えるようになったものだ。

前はちまちま変換していたが、今では数十個、数百個単位で素材を完成品に変換できる。

「よ~し、出来た!」

大量にできたアイスボールを籠にいれて自宅に向かう。

さて、皆呼んだし、今頃教室でたむろっている頃だろう。


「お~い、皆集まってるか~?」

「「「いま~す!」」」

「よしよし!今日は果樹園についての勉強だ!果樹園には村の外の森に生えている木々が植林されているのは知っているな?」

「はい!木の実のなる木が植林されています!」

「そうだ!甘味料が少なかった時には特に盛んに開墾してきたからかなり広いぞ!」

「迷子になっちゃいそう!」

「そして、そこで採れた木の実で作られるのがクッキーやマフィン、アイスクリームなんだが、今回は懐かしの味と言うことで、アイスボールを作ってきた。」

「「「わー!」」」

「なっつかしいわね!」

「昔僕が頼んだ奴だ!」

「七色だ~!あの時のまんま!」

「好きに食べていいぞ~!」

「あまーい!」

「ジューシー!」

「おいしい!」

「あの頃のままだ~!」

「お砂糖使ってないのに甘いね!」

「ジュースみたい!」

「色で味が違う!」

「木の実の種類が違うからね。」

「凄い量!いっぱい食べられるね!」

「いっぱい食べていいぞ~!」

皆が喜んでくれる。この瞬間があの頃から好きだった。

今も変わらず、ご褒美を用意するのは私の役目だ。

今ではあの頃の子供達が子を持ち、教える側に回っているのが微笑ましい。

「よ~し、今日はこれから木のみ狩りに行こうか。」

「行きたい!」

「籠いっぱい採れると良いね!」

「採ったあとはまたアイス~?」

「流石に食べすぎるとお腹痛くなっちゃうぞ!」

「安心しろ!今度は熱々のクッキーだ!」

「「「やったー!」」」

これからも皆の成長を見守っていこう。

孫が生まれたらまたこの授業をしよう。

いつまでも、この平和を学んでいければ良いな。

カノイ・マークガーフ、37歳、実は収穫時期を過ぎた熟しすぎた果実を大量消費するイベントだったりする秋の出来事である。

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