第151話:ストライキは労働者の権利の主張
(お仕事疲れた~!)
(((疲れた~!)))
(お菓子を寄越せ~!)
(((お菓子を寄越せ~!)))
「ス、ストライキだー!?」
クーラーこと妖精箱の中の人、氷の妖精さんがストライキを起こした!
これは緊急事態だ!
このままじゃあ村が機能しなくなる!
「暑い……。あたしギブ……。」
「クーラー……いや、ジャックフロストが仕事放棄してる……。私もお休みするぅ……。」
「あぁもう皆だれてる!」
駄目だこりゃ!
しかし、要求のお菓子は数が多すぎてすぐには用意が出来ない!
「あの~マフィン3個しかないんだけど、全員で分けれる?」
(分けられるわけ無いだろ!)
(これ美味しいぞ!もう1個欲しい!)
(あ!馬鹿!今マフィン食べちゃった3人は引き渡すぞ!)
難儀に食べちゃった3体はこちらに引き渡される。
この子達は早々にクーラーになっていただく。
(あ~れ~!)
(わ~!大人しくお仕事します~!)
(頑張るからまたマフィン食べたい~!)
よし、このクーラーは屋敷の領主部屋に置いておこう。
残りは早急に必要なのは病院と学校か。
一応要所には置けるな。
「なに言ってるのよ!一家に一台無いと困るわよ!」
「処刑場にもいるぞ!」
「農場にも欲しいです!」
当たり前ながら、家にも家にもと住人達が出てくる出てくる。
「こら!そもそもはお前達がお菓子を用意していないのが原因だろう!」
「う……!ま、まぁ、確かに最近あげてなかったような……。」
「そういえば前回あげたの何時だっけ?」
「いや管理がおざなりか!ちゃんとあげろよ!可愛そうだろ!?」
皆適当すぎるだろう!
そりゃあストライキも起こすわ!
そんなわけで、緊急マークガーフ村会議の結果とにかくでっかくて甘いものを作ることになった。
まぁ定番だが何時も通り、ケーキだな。
(わー!おっきい!)
(全部食べて良いのか?)
(お腹いっぱいになっちゃうぞ!)
「いいぞ~たんと食え~お仕事頑張ってたごほうびだ!」
(((わーい!)))
「食べたらまた働いてくれよ。お前達は我がマークガーフ村の生命線なんだからな?」
(いいよ!)
(いっぱい食べたからいっぱい働くぞ!)
(全力で頑張る!)
「よしよし!ありがとうありがとう!」
これでもう安心だな!
……ん?待てよ?全力?
「あー!お客様!困ります!雪を降らせては困ります!今夏です!デ、デバッグモード!」
こうして妖精達の暴走はデバッグモードにより鎮圧された。
そして、氷の妖精は毎日の食卓に参加する存在となっていった。
皆、仲良くね。
カノイ・マークガーフ、37歳、妖精達の暴走で冬になりかけた夏の出来事である。
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