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第148話:流行を決めるのは情報通

「え、長生きの秘訣?」

王都から来た記者を名乗る恐らく貴族っぽい人に質問された。

「はい!マークガーフ村の平均寿命は他の村より長いですから!」

キラキラとした目で訪ねられるとやりにくい……。

「いや、別段特殊なことは……。」

あるか?無いような、あるような?

「あれかな~?」

「あれとは!?」

「季節毎の狩猟祭。」

「狩猟祭?」

「まぁ簡単に言うとモンスター狩りだな。」

「モンスター狩り!?」

あとは、あれか。

「毎食肉と野菜をバランスよく食べること?」

「普通の食事!?」

あとは、なんだろう?

「あ~たまに旅行に行ったりもするな~。」

「慰安旅行!?」

あれ?特殊なことは一切してないな?

「特殊です!特殊ですから!普通のモンスターは狩れませんし、バランスを考えながら食事を取ることは出来ませんし、村丸ごと旅行に出掛けたりはしません!」

「あれ?」

これは特殊?そうか、特殊か……そうかぁ?

「家では普通のことだよ?」

「なるほど……潤沢な食料にストレスレスな生活か……。」

ぶつぶつと呟き始めた記者さん。

今聞いたことを咀嚼しているみたいだ。

「他に特殊なことは何かありますか?」

「無いと思うな~。あ、魔法を日常生活に使用していたり?」

「ほうほう!他には?何か日常的にやっていることなどは?」

「う~ん?やっていることか~。あ、畑仕事は皆やってるな。」

「適度?な運動!なのかな?」

こう考えてみると家の村人はよく働いてくれてるな。

今後はもっと感謝の気持ちを伝えなくては。

「なるほど、領主側からの感謝の気持ちか……。それは中々無い観点だな。」

「え、感謝の気持ちを伝えたりしないの?」

「貴族方は結構威張ると言うか、馬鹿にされないように気を張っている方が多いですね。」

要するに神経質なんだな?

そう考えると家は緩いな。

というかこの人も貴族だと思うんだが、この人も緩い側では?

「なるほど、なるほど。ありがとうございます!とっても勉強になりました!」

「良い記事になりそうですか?」

「はい!きっとこれは大きな改革へと繋がるでしょう!」

「えぇ……そんなに?」

そんなに普通じゃないこと無いと思うけどな~。

前世の普通を持ち込んじゃ駄目だとも思うけどそれにしたって普通の概念が迷子だ。

私達が普通じゃないのか、彼等が普通じゃないのか、う~ん、悩みどころである。

「大丈夫です!今後はこれがスタンダードになりますよ!」

「え~、普段からモンスターハントが日常は流石に普通ではないと思うな~?」

「あ、そっちは真似できないので大丈夫だと思います。」

あ、流石にそうか。

「そうですね。カノイ様にならお話しても大丈夫でしょう。」

「え?記者さんが貴族なこと?」

「気が付いてらしたのですか!?そうです。私は王都で貴族をしつつ記者として働いております。」

「あ、記者なのは本当なんだ。」

そっちはそんなに信じてなかったわ。

「この記事は世界中の貴族達に届きます!きっと彼等の意識改革に繋がるでしょう!」

大袈裟だな~、なんて思っていたが、後に風の噂で貴族方が畑仕事をしたり、旅行客が増えたりしたと聞いた。

皆結構流されやすいな~。

カノイ・マークガーフ、36歳、新しい流行を作ったりした秋の出来事である。

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