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第145話:とりあえず肉を食べとけばなんとかなる

潤沢な食料の蓄えがある我が領地は冬場になるとSOSが絶え間なくなり響く期間がある。

「えーと、こっちは米に、こっちは麦か。こっちは、なに?調味料?塩でもふっとけ!」

「カノイ様、流石にそのまま書いてはいないでしょうね?」

「『申し訳ございませんが、こちらも資源が不足しております。またのお取り引きをお待ちしております』ー!」

そう、物資の不足した地方からの取引の打診だ。

これが緊急のものからどうでもいいものまでごった返すのでたまったもんじゃない!

「とりあえず肉だ!肉送っとけ!」

「えーと、『本取引に置きまして、必要な物資は肉とお見受けします。狩りにて出た余り物ですのでご遠慮なくお使いください。』」

適当な命令でも皆まともな文章で書かなければならないので会話が成り立たなくなってくる。

「うーんと、『お米の在庫が切れていたため、代わりにお肉を送付いたします。』」

「『我が領地にてとれたお肉です。存分にお使いください。』……うん?」

「『麦よりも腹持ちの良いお肉です。存分にお食べください。』あれ?これであってる?」

もうなに頼まれても片っ端からお肉を届ける作業へとシフトしていく。

しょうがないんだ。家で余ってるものなんて肉位しか……!

「あ、シグナルさん?あ、OK小麦ね?おーい!余ってる分全部持ってきて~!」

うん、ニクシカアマッテナイヨ!

……しょうがないんだ、直接来てくれたんだもの!

かたや注文を付けてくるのは飛龍宅急便。

「はい!これもって!いってらっしゃい!」

「このお肉は宅配用、このお野菜は途中で食べるようね!」

「お前達は2頭一気に来たな!同時に出れるよう準備するわ。」

お肉を送るのには大きなメリットがある。

それは飛竜が"つまみ食い"しないこと。

この子達草食だからね。肉は食べられないのよ。

それに比べて麦やお野菜を持たせるとこいつ等食べる食べる。

一時期は半分くらい食べられていたこともあるらしい。

ちゃんと躾ければ大丈夫だからね。

躾を怠ると結構食べる。

そんなわけで家の子達はたらふくご飯を食べているのもあるけどつまみ食いはしない。

良い子にしていればおやつも持たせてやっている。

こうすると格段に言うことを聞きやすくなるのだ~。

皆も試してみるといいぞ!

ご褒美があると頑張れる!

これは人間も動物も同じだ。

そんなわけで、

「皆にご褒美の焼きたてクッキーだぞ~!」

「「「わ~!」」」

「焼きたてって柔らかくて好きなのよね~!」

「俺はサクサクも好きだよ。」

「あちち!ちょっと冷ましてから食べよ!」

「ほくほくで美味しいよ!」

「僕、お茶入れてきます!」

うんうん!あっつあつのクッキーに美味しい紅茶!

自分へのご褒美はこうでなくっちゃな!

え?小麦はどこから出たかって?

…………。

ニクシカアマッテナイヨ!

カノイ・マークガーフ、35歳、国中からのヘルプに肉の物量で戦った冬の出来事である。

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