第144話:絶対数の変わらないものは管理が大事
今日も今日とて、飛龍達は元気に飛び回っている。
「お~よしよし、ご苦労さん。え~と、シグナルさんか。近場なんだから直接お話しに来ればいいのに。……ふむふむ、モンスターの襲撃……モンスターの襲撃!?」
そんな馬鹿な!この辺り一帯のモンスターは村人達が狩り尽くしたはず!
え?私?今年も0体だったよ……。
そんなことはどうでもよくて!狩り尽くしたはずのモンスターが蘇った!?
そんな筈はない!死者蘇生とかそんなうらやま……ゲフンゲフンけしからんものはこの世にはない!
だとすると、可能性があるのは……。
「あ。」
えーと、最近の狩りの成果がこれで、世界の生誕者数が……。
……うん!補正が入ったね!
やっちまった~!
ついに生まれてくる人口より多く狩っちゃったよ!
人口増加にともない、狩りの効率はすこぶる上がっている。
それにともなって世界が帳尻を合わせようと無理矢理モンスターを生産しているのだ!
正直すまんかった。
もっと早くに気が付くべきだった~!
……よし、過ぎたことは仕方がない。
ここは一旦!
「モンスター狩りじゃー!」
「「「またかー!」」」
「まただー!今回は対象区域が増えたー!」
「「「そっかー!」」」
「ということで引き続き宜しくお願いしまーす!」
「「「うおおおぉぉぉ!!!」」」
モンスターがマークガーフ村近辺の森にリポップするまで狩り尽くす!
やったるぞおらー!
「ということで今度は秋の王国行脚が始まったわけです。」
「すごいね!?私も同じ人を年に2回も表彰することになるとは思わなかったよ!?」
「ごめんよヴェークさん。まさか狩りをしてたら国に表彰されるとは思いもよらず。」
「それ、毎年感謝状を渡すたびに言っているけど普通に快挙だからね?」
「なんでですか~ちょっと国中のモンスターを蹂躙していっただけですよ?」
「"国中の"ってところがおかしいことには気が付いてほしかったな~。」
そんなこんなで毎年冬に貰っていた感謝状が今年は秋にも追加された。
いや、そんなにいらんけど。
まぁ一応貰えるものは貰っとこうということで今年も賞状が増える増える。
「どこに飾ろう?」
「いつも通り教室でいいんじゃないですか?」
「家か。そろそろ壁がなくなるぞ。」
「もういっその事それ用の建物でも建てるか。」
「お?歴史資料館的な?いいね。」
「そういうことなら国からも融資するよ~。」
「「「わーい!」」」
お金助かる~。
この後、資源も融通してくれとゆすり倒した。
いや~楽しみだな。資料館。
カノイ・マークガーフ、35歳、感謝状の溺れる前に資料館を建てることになった秋の出来事である。
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