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第13話:後はまかせろよりも後はまかせたのほうが言いたい人生だ

今年の冬、弟が生まれた。

性別がない無性であるところまでは理解していたが、呼び方が()に統一されているのはこの時初めて知った。

子供は皆息子、兄弟は兄と弟しか存在しないのだ。

妹を持つという夢はついえた。

兄姉は諦めていたが妹はと思っていたんだけどな~。

ちょっと悲しいが生まれてきてくれた弟の存在への感謝と愛らしさにすべてが払拭される。

かわいい。赤ん坊というだけでは感じないかわいさがある。

血縁とはこんなにも愛おしく感じるものなのだろうか?

それともこの子がかわいいだけか。うーむ悩みどころである。

彼を取り上げた医者曰く、

「この子は大きいね。大きく立派な体格に育つよ。」

とのこと。

父親似の立派な体格に育つのだろうと思うと楽しみでもあり、書類仕事が苦手だと若干困るな、と焦りを覚えたりと感情は忙しい。

うーん、でもとにかくかわいい。

そうだ、あの言葉を伝えよう。

「パパ、このこのなまえなあに?」

「フロージだよ。カノイも呼んであげなさい。」

「フロージ……フロージ、うまれてきてくれてありがとう」

「あらあら!その言葉、素敵ね!今度からお誕生日には生まれてきてくれてありがとうって伝えましょうか!」

「いいね!カノイはいい子だね。」

そういって父と母から頭を撫でられる。

前世の両親も大好きだったが、今世の両親のことも私は大好きだ。

そして、そんな大好きな家族の中にもう一人。

フロージ・マークガーフ

私の大切な弟だ。

冬を越したらリボルとヴァイスに自慢をしに行こう。

ファンはきっと喜んでくれるだろう。

ジェイルとエイルは双子の兄弟だった気がする。

下の弟は羨ましがられるかもしれない。

そんなことを考えながらクスクスと笑みが漏れる。

使用人達は新しい主人の誕生を盛大に祝うべく宴の準備をしている。

冬の半ばだから盛大なお祝いはできないけれど、フロージが1歳になるころにはもっともっと大きなお祝いができるように準備をしよう。

微力ながら私も頑張ろう。

かわいい弟の為なら収穫祭だって耐えられるさ。

カノイ・マークガーフ、2歳、志を高く持つことを覚えた冬の出来事である。

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