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第128話:話を考える時は要素と要素を組み合わせていこう

「新作の構想が浮かばない!」

「……それは大変だね。」

「その話今しないと駄目?」

目の前にはファンとグルート、そしてメリルとイリーシャの一家が勢ぞろいしている。

「前に書いた本あったでしょ?あれがそこそこ売れたらしくって次回作の打診があったのよ!」

「この時代にそこそこ売れたって結構凄いな。」

「ファンすごい!」

「さすがファン。」

子供からも呼び捨てにされている。それがファン。

「……前回はどうやってお話を作ったの?」

「前はね~あたしが昔好きだった絵本のお話に主人公とかの性格を味付けして、世界観をカノイ様の話す外の世界で風味付けしたのよ!」

「なんか料理みたいだな。じゃあ今回も同じ感じにしたら?」

「あ~絵本のお話に色々混ぜる感じ?」

「……他に好きな本は?」

「あれがいいかも。『木の実姫』。」

「『木の実姫』?」

「木の実から生まれてきた愛らしいお姫様が5人の人間に求婚されるお話。」

なんか既視感が……あ、もしやかぐや姫か。

「それで?結婚するために無理難題を出したりとか?」

「よくわかったわね!そうよ!竜の鱗に魔法の胞子、鏡に映った月に冷めない水、燃え盛る鳥の羽!」

「ファンタジーだな~それで?」

「それぞれの人間は難題を機転やその勇気で解決していくの!そして最後は6人で結婚して幸せに暮らしましたとさ!めでたしめでたし!」

「え。」

「え?」

「全員振られるんじゃないの?」

「なによそれ、全然ハッピーじゃないじゃない!」

「いや、そうだけど!そうなんだけど!……そうだなぁ。」

おとぎ話だもんな。逆になんでかぐや姫って誰も幸せにならなかったんだ?

「今回はお姫様をカノイ様にして~告白する人間役の性格はリボルとヴァイス、ルー、あとはエイルとジェイルにしましょ!」

「え。」

「え?」

「私お姫様なの?」

「今回はね。安心して!愛らしいお姫様にするわ!」

「いや~いやいやいや~?」

なくない?私お姫様なの?

言っとくけど結構男らしいほうだぞ?

まぁ性別がないから男らしいの概念がないわけだが……。

「なによ、愛らしい王子様のほうがいいわけ?」

「うん?う~ん?いやぁ?……もうお姫様でいいか!」

「よし!そうと決まれば執筆作業に入るわ!メリル!イリーシャ!あたしの代わりに仕事やっといて!」

「「は~い!」」

「え!?」

「……まぁファンだしね。」

しょうがないね、じゃないのよ!

お仕事子供にほっぽり出すとは何事だー!

と言いたかったが、メリルもイリーシャも頑張ってお手伝いしてくれるし、何より普通に優秀だったので事なきを得た。

ちなみにこの時執筆した本は現国王ことヴェークさんの目にとまって国民的ヒット作になるのだった……。

カノイ・マークガーフ、31歳、改めて性別とかないことを理解させられた秋の出来事である。

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