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第127話:神職にも種類は色々

今日は職場見学!ということでヴァイスの職場、教会に来てみた。

「教会!憧れのウエディングベル!」

「真っ白な教会!広いお花畑!」

「そうだな~いつか結婚式はここでやるんだろうな~……うぅ……。」

「カノイママ気が早いよ~。俺達まだ子供だぜ?」

「確かにいつかは結婚することになるかもですけどね。」

「うむ、子孫繁栄は大事。」

「いやそうなんだけど!そうなんだけどさぁ!」

残される親はさぁ!やっぱり寂しいよ!

「カノイ様、流石に子供達の前で泣きながら引率するのはどうかと……。」

「そ、そうだな。よし!今日は教会のお仕事見学だ!しっかり学んで、何になりたいか考えるんだぞ?」

「「「はーい!」」」


「教会ではいろいろなことが行われています。怪我や病に倒れた方の無事を祈ったり、罪の告白を受け入れたり、命の木のお世話をしたりですね。」

「エイルみたいなお医者さんとは違うの?」

「少し違いますね。治療法のない病や精神的な病をいやすのが教会の役目です。」

「そんな病気があるんだ……。」

「さらに言うと、治癒の魔力の込められているとされている聖水の販売も行っています。これは病気などの予防にも良いとされていて、教会の認めたもの以外の販売は禁止とされているのです。」

「あ!風邪ひいた時とかに飲む奴だ!」

「あとはお腹が痛いときとかも飲むよね!」

「うん!甘くておいしいの!」

「ふふふ、味付けに果物の果汁が使われているので、特に不調のない人にも良く飲まれているんですよ。」

「キンキンに冷やすと美味しいんだこれが。」

「カノイ様は飲み過ぎに気を付けて下さいね?」

「あ、はい。」

「さて、次は懺悔室に案内しましょうか。」


「神官様。私の罪を告白します。」

「はい、お聞きいたします。」

「実は最近伴侶に内緒で新しい鎌を買ってしまって……畑仕事がはかどっていることを怪しんでいるようなのです。」

「それは正直に話した方がいいですね。仕事の効率が良くなることは喜ばしいことですし、お相手様も納得いただけるでしょう。」

「そうですよね!ありがとうございます!早速報告に行ってきます!」

「……お悩み相談室?」

「まぁ間違っちゃいないな。」

「えー!もっとりょうきてき事件とかの告白はー?」

「そういうのは基本ないですよ。イリーシャは危ない本の読み過ぎです。」

「へリュック昨日おかし食べすぎちゃったから懺悔しなきゃ……!」

「カ、カーロもご飯食べすぎちゃったから……!」

「育ち盛りですから大丈夫ですよ。」

「軽いな~懺悔室。」


「さて、次は命の木ですね。」

「こわーい!」

「気持ち悪いかも~!」

「脈々してる!」

「散々な言われようである。まぁ分かる。」

「結構神々しいと思うんですけどね……。」

「神々しい……?」

「禍々しいの間違いだろ。」

「最近はより一層元気に育っているんですよ?」

「そういえば私が前見た時より大きくなっている気が……。」

「こわい!」

「この命の木になる実は子供の種とも呼ばれています。人類の血液を栄養源に大きな実をつけるのです。」

「それで、その木の実を食べた人が妊娠して、子供が生まれるんだ。」

「「「へ~!」」」

「じゃあシェリルもチェリルもあそこになっていたの?」

「なってたって言うと語弊があるが、まぁそうだな。」

「シェリルとチェリルは僕とリボルのそれぞれが作った実を通してカノイ様から生まれてきたんですよ?」

「「へ~そうなんだ~!」」

「一緒に生まれてきたってことは二つ一緒に食べたの?」

「カノイママ食いしん坊!」

「いやいやいや、食いしん坊だったわけでは……というかイレギュラー過ぎてどうなることかと思ったくらいなんだぞ!」

「普通は一つの実から二人の子供が生まれるのが双子でしたからね。同時に食べて同時に生まれてきたので実際はちょっと違う状態だったりするかもしれません。」

「へ~。」

「不思議~。」

「不思議な木と不思議な木の実と不思議な人間?」


「さて!お仕事見学は以上だ!皆教会のことよくわかったな?」

「本当はもっと権威的な部分や裏のごちゃついた事情なんかもありますが、おおむねはそんな感じですね。」

「裏事情……教会の闇!」

「あんまり大層なものでもないですよ。」

「僕!いつか神官さんになりたいです!」

「そうか~じゃあグロウはまずリーベンさん家でお勉強だな~。」

「頑張ります!」

お?本気だな?

マークガーフ村教会の未来は明るい。ヴァイスもニコニコだ。

「いつか、多くの人々の光も闇も理解できる立派な神官になれるよう頑張りましょうね。」

修正、やっぱり明るい話ではないかもしれん!

カノイ・マークガーフ、31歳、職場見学で子供の将来について考えさせられた夏の出来事である。

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