第118話：悪戯は計画的にやった方が盛り上がる
「カロン！マロン！成人おめでとう！」
「「ありがとうございま～す！」」
カロンとマロンが成人した！
「よかったな～お前ら。皆にお祝いしてもらえているぞ～。」
「カロンもマロンも大きくなったよね～昔はこんなに小っちゃかったのに！」
「ジェイルもエイルも頑張ったよな～二人で子育てして。よーしよし。」
「あはは！なんかこの感じ久しぶりだな！」
「あはは！大人になると頭撫でられることなくなるよね！」
「カロンも！カロンも撫でてほしいです！」
「マロンも！」
「よーしよしよし！皆良い子だな～！」
この年になっても甘えてきてくれると可愛いものである。
ということでとにかく撫でまわした。
4人とも終始笑っていたし良しとしよう！
しかし、こちらにジェラシーを感じている存在が4人。
「「むー。」」
「カノイージェイルとエイルばっかりずるいぞー。俺達も撫でろー。」
「そうですよー。僕達だって子育て頑張ってますよー。子供達も不満気ですよー。」
「いいもん！シェリルは来年成人だもん！」
「チェリルも！」
「あーあーすねちゃいましたよ。」
「我が子がこんなの言ってるぞ。」
「あー！ごめんごめん！もう！家の子達可愛いな！愛してる！」
もうとにかく必死で抱きしめてよしよしした。
リボルとヴァイスに関しては遠慮はいらないだろうと思い思いっきり撫でまわした。
まぁ本人たちがいいならよし！
「もう撫でるのが癖になっているっていうのもあるけど、愛情表現だから許して？」
「しょうがないな～シェリルは許してあげる！」
「チェリルはね～もっと撫でてくれたら許してもいいよ！」
「あ！ずるい！シェリルも！」
「子供は現金だな～。」
「まぁ僕らも僕らですけどね。」
「しょうがないだろ！村人全員愛してるの！家族なんだから！」
「カロンはとある計画を始動中。」
「奇遇だね。マロンもとある計画を考え中。」
「来年だね。」
「うん。来年。」
「多分同じこと考えてるね。」
「うん。兄弟って似るもんだね。」
「……おい、エイル。なんかチビ達が悪だくみしているんだけど。」
「うーん、まぁ問題を起こそうってわけではなさそうだしいいんじゃない？」
「そうか？なんかある意味大問題になりそうな気がするんだけど。」
「奇遇だね。僕もそう思う。」
「兄弟って似るもんだな。」
「うん。多分そっくりにね。」
カノイ・マークガーフ、29歳、何かしらの計画が進んでいるとはつゆ知らず暢気に新しい世代の成長を喜んでいる村長気分な春の出来事である。
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