第107話:熱中症対策は水分と塩分
夏の日差しに辟易しておりますどうもカノイです。
この夏は暑い、とにかく暑い。
日差しが強いというのもあるが、なにより気温が高いのだ。
夏ってこんな暑かったっけ?
「暑いなら脱げばいいじゃん」とか言われそうだけど、脱いだら最後、私は確実に溶ける自信がある。
それに今は私以外にも人がいるんだし……。
「いやー!今日もいい天気だ!」
「リイン、あまりはしゃぎ過ぎて転ばないように気をつけてください。」
「大丈夫だって!ほら見てよメリル!あんなに元気だよ!」
「あぁ……イリーシャはもう駄目ですね。今にも倒れてしまいそうで……。」
「そっかぁ……残念だったね……。」
「いえ、まだ諦めるのは早いですよリイン。ほら、ソルテを見てください。」
「ソルテ?」
「えぇ、ソルテは平然としています。つまりソルテはあの暑さの中でも問題ないという事です。」
「本当だ!凄いなぁ、俺も負けないぞぉ!」
「はい、その意気ですリイン!」
………………………………。
「いや待て待て待って。」
「ん?カノイママだ、どうかした?」
「いやいや、どうかした?じゃないよ!?なんで普通にスルーしてるんだ!?」
1人死にかけてるんだけど!?
「大丈夫かイリーシャ!」
「だい……じょうぶ……だぜ……。」
「嫌大丈夫じゃない大丈夫じゃないよ!?」
とにかく水!水持ってきて!いや間に合わない!
「ウォーター!」
「げぶっ!」
「あ!イリーシャが溺れてる!」
「まぁ無理やりでも水分とらなきゃいけないですしね。」
「げほっげほっごほっ!」
イリーシャの背中をさすってやりながら落ち着くのを待つ。
緊急とはいえ直接魔法をぶつけるのはやり過ぎたか……。
「……あれ?カノイ様だ。なんで俺抱っこされてるの?」
「意識なかったんかい!本当無事でよかった……。」
この感じだと熱中症かな?
いや本当にぎりぎり発見できてよかった。
「はい!暑いときは水分を取る!」
「「「暑いときは水分を取る!」」」
「塩分大事!」
「「「塩分大事!」」」
「なるべく日陰を歩くこと!」
「「「なるべく日陰を歩くこと!」」」
「以上をふまえて暑い夏を楽しみましょう!」
「「「はーい!」」」
ふぅ……とりあえず学校での教えとして暑さ対策は必須だな……。
それはそれとして村人全員に周知するために次のお祭りの時にでも布教するか。
熱中症は老若男女問わず殺しにかかってくるからな。
「さて、今日は暑いから皆プールで遊ぼうな~。」
「「「わーい!」」」
カノイ・マークガーフ、26歳、熱さを耐え忍ぶ知恵を流布した夏の出来事である。
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