第105話:どうしても眠い時は体調が悪い可能性があるので病院へ
冬は寒い!
だから、私は寝る。寝るしかないんだ!
「って、なにやってんの?」
「……。」
布団をかぶった私に、リボルが呆れたような声をかけてくる。
だが、私は答えない。答える気力もない。
「いや、だって、寒いし……。」
「そうかもしれないけどさー。」
リボルの呆れ声は止まらない。
そんな時だ。
ふと、何かを思い付いたようにリボルが言った。
「じゃあ、皆で昼寝するか?そしたら、暖かいかもしれんぞ?」
それは名案だとばかりに、リボルが言う。
確かに、その手があったか。
でも、リボルもヴァイスも仕事があるんじゃ……。
なんて思ってたら、リボルはニヤリと笑みを浮かべた。
「大丈夫!今日は休みにしたから!」
えっへん、と胸を張るリボル。
なんというファインプレー。
この寒さから逃れるにはもうそれしかねぇ!
「そうと決まれば……おーい!ヴァイス!チビ達連れてきてくれ!」
「えぇ?全員ですか?」
「全員に決まってるだろ!皆寝るのに誰が見とくんだよ!」
リボルがヴァイスに子供達を連れてくるように頼む。
皆って子供も含めた全員か。
子供達を連れてきたヴァイスと毛布を用意したリボル。
そして、二人して俺を見下ろしてきた。
「ほら、カノイ様も一緒にお昼寝しましょうよ?」
「そうだぞ、カノイ。皆で寝ようぜ!」
二人の言葉を聞いて、私は観念したように目を閉じた。
「仕方がないな~。皆で寝るか!」
こうして私達家族は皆で仲良く昼寝をしたのであった。
「シェリル!シェリル!」
「なあにチェリル?」
「ルーナが逃げようとしてる!」
「なに!?駄目だよ!止めなきゃ!」
「でもリインとグロウが止めてくれた!」
「なんだって!?可愛いね!」
「可愛いね~。」
「……。」
これはあれか、親に似た感じか?
「……っぷ……。」
「……くすくす……。」
親2と親3は笑うんじゃないよ。
いや、完全に私に似たけれども。
「ルーナ。お昼寝中はお外に出ちゃ駄目だよ~。」
「ルーナ。おねんねしましょ~。」
「うー眠くないもん。」
「そうは言っても、温かくしてれば寝れるよ。」
「ぬくぬくしましょ。」
お?皆でルーナを説得している。
「やー!遊びたい!」
「パパもママも寝てるからしーっよ!」
「「「しーっ!」」」
あ!寝てると思ってるから自分たちでどうにかしようとしてくれてるんだ!
可愛いね!
「むーねむねむ。」
「あ!寝ちゃった。」
「私達も寝よ?」
「うん!」
「「「おやすみなさ~い。」」」
……皆寝たかな?
そう思って毛布を掛けようと起き上がるとリボルとヴァイスも同じように起き上がった。
「へへへ!」「ははは!」「ふふふ!」
何とも幸せな光景だなぁ。
さて、もうひと眠りするか!
カノイ・マークガーフ、25歳、眠気に負けつつも子供への愛を再確認する冬の出来事である。
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