第103話:暇な日のなんと喜ばしきことか
「あ~、なんか、今日も平和だなぁ……。」
私はのんびりしながらお茶をすする。
最近、本当に何も起きないのだ。
いや、もちろん戦争とか無い方がいいんだけどさ?
飛竜達も大人しいし、帝国も大人しいし。
まあ、平和なのはいいことなんだけれど。
最近は特に、皆で遊んでばかりいる気がする。
私も別に遊ぶのは構わないしむしろ好きな方だけどさ、流石にちょっと遊びすぎだと思うんだよ。
……まあ、楽しそうだからいっか!
でも、今日はそんな平和な日々の中でも一番の平和日和である。
こんな日にすることと言えば一つしかないだろう。
そう、昼寝である。
最近はずっと忙しかったからね、たまにはこういう日があってもいいと思うんだ。
ということでお昼ご飯を食べた後、私は早速原っぱに繰り出し寝転がった。
そしてそのまま目を閉じる。
……ああ、幸せだ……。
こうしてのんびりと過ごしている時間が一番好きだなぁ……。
でも、こういう時間はあっという間に過ぎていくものだ。
ふと目を覚ますともう夕方になっていた。
あれ、いつの間にか眠っちゃっていたのか。
私はゆっくりと体を起こす。
すると私の目の前に一人の子供が座っていた。
「…………あれ?グロウ?」
うちの息子の一人、グロウであった。
「カ、カノイママ……生き返った……!」
「え?というかなんで私花まみれになってるの!?」
わんわんと泣きながら縋り付いてくるグロウ!
かたや花に囲まれた一般成人(25)!
何があったんだよ!?
「……ひっく……うぅ……ママ、死んじゃったって思って……!」
「あ、それで花を添えてくれたと……。」
花だらけの原因と泣いてる原因は分かった。
分かったが……対応早急すぎない!?
「まだ死んでないよ~。」
「いつか死んじゃうんだ……!」
「いやまぁいつかは、うん。」
「うわーん!」
「え~困っちゃう……。」
不死身じゃないからいつかは死ぬよ。うん。
「う~ん、じゃあ約束しよう!」
「……え?」
「ママは60歳まで生きる!寿命以外には負けん!」
「本当に?」
「本当本当。」
もともと老衰志望だしね。
「絶対に死なないでね!」
「う、うん。できる限りな~。」
グロウはまだ4歳のはずなんだけどな~。
死への恐怖心が強すぎる。
いや、死に向かってまっしぐら!より全然ましなんだけれども。
まぁ、生きるか~後35年間。
カノイ・マークガーフ、25歳、再度覚悟を決めることとなった夏の出来事である。
感想、レビュー、ブクマ、評価、待ってます!